2005年08月09日

ロングバケーション

ロシアから

 ロシアは、ソ連崩壊後も「労働者の天国」である。「会社は従業員に、夏休みを一カ月以上与えなければならない」と法律で規定されているのだ。ロシア人は当然、この特権をフルに利用する。

 では、ロシアの人は一カ月間の休暇中何をしているのだろうか。富裕層は、フランスやスペインでバカンスを楽しむ。中産階級は、トルコやエジプトに行きゴロゴロする。そして普通の人たちは、ダーチャ(郊外の小さな別荘)でのんびり暮らすのである。

 ダーチャでロシア人は何をするのか。主な仕事は農業。キュウリ、トマト、ピーマンなど、彼らは何でも作ってしまう。また、森に行って食べられる木の実を集める。後は読書をしたり、散歩をしたり、ビールやウオツカを飲んだり、川で泳いだりする。

 このような生活は、休むことに慣れていない日本人ビジネスマンには、逆に苦痛かもしれない。しかし、ロシア人は心の底から幸せを感じているようだ。

 あまりにも幸せなので、「会社に戻りたくない症候群」も発生する。マーシャさんのダーチャの近くには、一カ月以上ダーチャにいる会社員が山ほどいる。

 マーシャさんは、ある知り合いのおじさんに、「だいぶ長い間ここにいるけど、仕事は大丈夫なの?」と聞いた。するとおじさんは、「大丈夫だよ。今病気で動けないことになっているから」と笑った。マーシャさんは、「ひょっとしたら」と思い、近所のおじさん皆に同じ質問をしてみた。すると、ほとんどの人が「仮病」を使って一カ月以上の休暇をエンジョイしていることが分かった。

 働かないロシア人。しかし、この国の経済は、六年間も急成長を続けている。これを「労働者の天国」と呼ばずなんと呼ぶのか。

(モスクワ在住・Y)

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2005年08月06日

観光客で賑わうブルサ

トルコにて

 トルコのイスタンブールからマルマラ海をフェリーで渡ってやや内陸部に南下した所にブルサの町はある。アラブ各国から来た観光客でにぎわっている。

 標高二五四三メートルのウル山のふもとにある町は、緑のブルサという名で知られるように、樹木で覆われ、温泉地・スキー場としても有名なところ。ふもとから頂上まではケーブルカーがあり、うっそうとした樹木を眼下に見下ろしながらスリルのある時間を過ごすことができる。砂漠に囲まれたアラブ各国からの観光客は、歓声を上げてその緑を楽しみ、樹木の間を散策する。子供たちは乗馬やブランコなどを楽しむ。

 山の頂上は、日が陰り風が出始めると、七月中旬の昼間でもかなり寒くなる。ここの名物の食べ物の一つが、肉を炭で焼いて食べるバーベキューだ。

 各テーブルには、炭をふんだんに入れた火ばちが配られ、串刺し、牛、鳥、ハンバーグなどが生のまま配られる。それぞれ自分たちで焼いて、ヨーグルトや各種調味料、パンなどを適度に混ぜながら食べる。山の各所から煙が立ち上るという状況になる。寒さを忘れて過ごす楽しいひとときだ。

 太陽が出てくると、適度な暑さに誘われて散策に出かける。砂漠と違って多種類の植物が繁茂する珍しさから、採集に余念がない人もいる。アラブ諸国の人にとっては異文化体験の一つのようだ。

(S・カイロ在住)

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一変した道路事情

インドシナから

 インドシナ半島を十年ぶりに回ってみた。十年一昔とはよく言ったもので、一番の変化は何といっても道路事情が一変したことだろう。ベトナムの首都ハノイから外港ハイフォンまで、高速道路がつながるまで四時間近くかかっていた。川には橋がなく、フェリーを乗り継がなくてはならないし、何より天井に何度も頭をぶつけるような穴ぼこだらけの道路では、スピードが出るはずもなかった。

 それが今では、高速道路が整備されて一時間でつながるようになった。日系企業もハイフォンの工業団地に多く進出するようになっている。

 ベトナムのハノイからホーチミンまで結ぶ1号線最大の難所とされたハイバン峠には今夏、東南アジア最大のトンネルが開通した。これで標高差など関係なく、海岸線を南北に直結することになった。

 ハイバン・トンネルは国内物流の流れをスムーズにしただけではない。ラオスとタイを経由してベトナムとミャンマーを結ぶ東西回廊の難所をも一つ克服したことで、インドシナ物流回廊の整備に一役買ったことの意味が大きい。

 道路のインフラ整備という点では遅れていたラオスやカンボジアでも、雨期になるとぬかるみ、車輪が泥にはまって立ち往生した未舗装の道路もその多くが、少なくとも簡易舗装され、年間を通して安定した人とモノを運ぶ回廊の役目を担うようになっている。

 ただ、かつては泥にはまった車を助けるため、乗客だけでなく往来の人々も一緒になって助けた光景は今では見られなくなった。道路事情の向上は、進歩といえば進歩だが、忘れてはいけないものもある。

(バンコク在住・T)

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2005年08月05日

休み多いロシアの新聞

ロシアにて

 ロシアに住んで驚いたことの一つは、新聞の休みが多いこと。日本の日刊紙なら、月に一回程度の休刊日だが、ロシアの日刊紙は土曜と日曜(もしくは日曜と月曜)はいつも休み。

 正月に至っては、日本の日刊紙が二日に休むのとは違い、元日からロシアのクリスマスである七日、そしてその後も年によっては休みが続く。中には十二月二十四日(西欧のクリスマスイブ)から休みに入る新聞もあるぐらいだ。

 私の友人のロシア人は、モスクワのある日刊紙の記者。先日、彼の家に遊びに行き、話を聞くと、彼は七月に十日間の休暇を取っている上に、八月に入ると会社は半月休み。「政治家もみんな夏休みでニュースが減るだろ。だからウチの新聞は半月お休みさ」という。

 彼の新聞は、十二月二十四日からも年末年始を挟んで半月休みだ。毎日ニュースを追い続けている私が、「わざわざ休暇をとらなくても、計一カ月ものんびりと休めるとは少々うらやましい」と彼に言うと、こんな答えが返ってきた。

 「でもさ、会社に半月行かなくていい代わりに、給料も半分しか寄越さないんだぜ。『新聞出ないんだから、カネがあるわけないだろ』って。ひどい話だろ。普段の給料だって安いのに。お前なら年二回の半月無給休暇、欲しいか?」

 欲しくない。そうか、世の中、そんなにうまい話はないんだな。

(O・モスクワ在住)

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2005年08月04日

熱帯夜の過ごし方色々

韓国にて

 今年もまた暑い夏がやってきた。韓国も日本に劣らず、このところ蒸し暑い日が続いている。例年に比べクーラーや扇風機の売れ行きも順調だとニュースは伝えていた。

 わが家は高層アパートの二十二階で、夏でもそんなに暑くないのでクーラーはないのだが、今年は耐え切れず、扇風機をもう一台買ってしまったほどだ。

 韓国の住宅は大きく分けると、一戸建て、ビラと呼ばれる多世帯住宅、日本のマンションにあたるアパートの三種類である。

 都心はビラやアパートが多い。ビラの多くは屋上を持っており、その屋上がまともに熱を吸収し、非常に暑くなる。わが家もアパートに引っ越す前は、ビラに住んでいたのだが、夏はクーラーなしでは過ごせなかった。

 そのため、韓国では真夏になると、日本ではあまり見かけない光景に出くわす。熱帯夜になると、家では寝られないので、漢江などの川べりに出かけ夕涼みをする。ゴザを敷いて寝ている人もいれば、バドミントンなどのスポーツをする人、肉を焼いて一杯やる人など、さまざまだ。この時期になると、これが必ずニュースネタになり、テレビで放映される。

 ちょっと変わったところでは、ビラの屋上にテントをたてたりする。夜遅く路地の、家の前に縁台を置いて寝ている人に遭遇した時は、本当にびっくりした。

(志田康彦・京畿道九里市在住)

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良好日米関係の落とし穴

米国から

 日本と米国の間には現在、牛肉問題を除けば大きな懸案は見当たらず、両国の関係は過去最高レベルにあるといっていいだろう。日米関係を外交の基軸とする日本にとって、好ましい状況であることは言うまでもない。

 ただ、長期的に見て注意しておかなければならないと思うことがある。それは、米国には「政策」を商品とする特殊な市場が存在することだ。

 その中心的役割を担っているのがシンクタンク。時の政権にアイデアや意見、さらには人材を提供する役割を果たす。米国では政権が変わるとポリティカル・アポインティー(政治任命)によって、政府の中枢が数千人規模でごっそり入れ替わるが、シンクタンクはその主要な供給源でもある。

 米政府が関心を寄せている分野であればあるほど、当然、シンクタンクなど外部への研究委託は多くなり、研究者が政府中枢に登用されるチャンスも増える。最近、何かと話題の中国は、議会公聴会のテーマになることが多く、中国専門家は引っ張りだこだ。

 これに対して、日本はどうか。貿易摩擦で米国と火花を散らした時代に比べ、懸案事項が減った分、日本が議題になる機会も少なくなった。米国の「政策市場」から見ると、日本は中国や中東に比べて、“カネにならない”分野になりつつあるのが現状だ。

 日本に関する政策の需要が減れば、供給側の研究機関は研究費を削減せざるを得ない。そうなると日本研究はさらに低迷し、専門家も育たなくなる。

 米国内に知日派人脈を確保し続けるには、米政府やシンクタンクに常に日本への関心を持たせる努力が欠かせない。日米関係が良好なほど、その作業が難しくなるというのは何とも悩ましい限りである。

(H・ワシントン在住)

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2005年08月03日

ガイドブックにない旧東独人気スポット


青色の壁(ドイツアート横丁)
青色の壁が鮮やか。パイプから雨水が流れてくるようになっている

動物が描かれている(ドイツアート横丁)
緑色の壁には動物が描かれている
 旧東独の中心的都市ドレスデンは、プラハとブダペストと並んで日本人の中欧ツアーには欠かせない街の一つ。市は今年、第二次世界大戦の空爆から六十周年を迎え、加えてフラウエン教会が秋に再オープンすることから活気に満ちあふれている。

 ツヴィンガー宮殿やゼンパー・オペラ、数々の博物館など観光スポットが集まる旧市街からエルベ川を越えるとノイシュタット(新市街)に至る。ただし、新市街といっても、旧市街よりも古い建物が多く残っている。ここは戦禍を逃れたからだ。

 ノイシュタットには目立った観光スポットはないが、ドレスデン唯一の大学(ドレスデン工科大学)に近いこともあり、平均年齢が十歳も低い若者の街。観光客が少ないことのメリットもある。それは、物価が割安で、地元の人のお気に入りのおしゃれな店が多いということだ。

 ここで最も脚光を浴びている場所が「クンスト・ホーフ」(アート横丁)で、おしゃれなブティックが集まっている。ドイツ統一後の九六年、再建プロジェクトが始まった。

 数多くのアーチストが手掛けたもので、建物の壁のアートやオブジェ、彫刻などが印象的(写真)。隅々までアートに気を配っていて、ごみ収集所にも気を遣うほどの徹底ぶり。角度や位置によって色が違っている。

 さっそく、アート横丁は日本語のカタログを作成した。「日本人はドレスデンにとって重要なパートナー」(ドレスデン観光局)ということで、今後、どんどん日本に売り込みを図ることになる。

(T・ベルリン在住)

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2005年08月02日

テロ事件で緊張続くロンドン

英国から

 七月七日の自爆テロ事件、そして二週間後の二十一日にもテロ未遂事件が発生し、ロンドン市内は交通機関の混乱、警察当局による相次ぐ容疑者逮捕劇、と張り詰めた雰囲気が続いている。

 二十一日の当日は記者も都心にいた。イスラム過激派をテーマにしたシンクタンクの会合が終わって、午後三時ごろに帰宅しようと、ピカデリーサーカスの地下鉄駅に向かったが、何か周囲がざわざわしている。駅入り口まで来て分かったが、駅構内に通じる階段途中で鉄柵が閉められて、駅は閉鎖されていたのだ。

 「またテロ事件か?」。とっさにそう思ったが、一体どこでいつ何が起きたのか皆目分からない。

 普段使う地下鉄ルートが突然駄目になったのだから、どう移動すべきか、とまどった。ともかく早く中心部から出なければ混乱状態の中に閉じ込められて身動きできなくなってしまう。そして、「二十五キロも離れた郊外にどうやって帰ろうか」と悩んだ。

 七日の事件では、多くの通勤客が市内でホテルに宿泊したり、近場の場合は徒歩で帰ったり、またタクシーを使ったりしている。

 急いで近くのリージェント通りのバス停に行き、北西方向行きのバスを調べた。幸い、あった。

 パトカーや救急車のサイレンがけたたましく鳴る中心部の通りを抜けて、三十分余り、五キロほど郊外に脱出。しかし、自宅まで何本かバスを乗り継いで帰るのは一苦労なので、近くの地下鉄駅が開いているどうか調べにバスを降りた。幸い、駅は開いており、郊外行きの地下鉄は何とか動いていた。

 この日も七日のような大事件が起きていたらこうはうまくいかなかっただろう。

(G・ロンドン在住)

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2005年08月01日

結婚ブームのポーランド

ドイツから

 最近、ベルリンの近所に住むポーランド人男性とドイツ人女性の結婚式があった。一連の式典は、厳格なカトリック教徒である新郎の意向に基づいて行われた。

 午前中、教会での厳粛な儀式を終えて外に出たところをユーロ硬貨を新郎新婦に投げつけた。その後、公民館のようなホールを借り切ってパーティーをした。鳥の丸焼きなど豪華な食事にウオツカで乾杯し、翌朝まで踊り明かしていた。新郎によると、南部の田舎では三日間にわたって結婚パーティーを行うこともあるぐらいで、オールナイトのパーティーは当たり前。

 現在、ポーランドでは空前の結婚ブームだという。ポーランドで八〇年代に産まれたベビーブーム世代が今、二十代の結婚適齢期を迎えているからだ。中でも七月と八月はポーランドにおける最大の結婚シーズン。主要日刊紙によると、市役所、教会、パーティー会場など、どこも順番待ちとなっている。人気のある結婚式場は二年前に予約する必要がある。“結婚ストレス”から逃れるために、外国で式を挙げるカップルも急増中という。

 結婚に関するセミナーも人気で、カトリック教会の伝統に基づく子女教育などを学ぶ。ポーランドの人口千人当たりの離婚件数は一・二で、欧州連合(EU)加盟二十五カ国中、最も低い。伝統的な結婚を重視していることの結果であろう。

 カトリックの教えに反する同性愛に対しても厳しい。首都ワルシャワは、大都市のリベラル化と保守主義者との衝突を懸念し、同性愛パレードを禁止したほどだ。一方、同じくカトリック教国家のスペインは同性愛結婚を認めるなど、リベラル化が加速している。

 ポーランド人は西欧化されず、カトリック教徒としての自覚と誇りを持っているようだ。

(T)

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2005年07月30日

中国経済専門家の10年

オーストリアから

 「外国投資額は操作されている可能性があります。通常は実際の額より多めに公表されています」

 中国経済統計の信頼性について問いただした時、中国経済専門家、ウルバン女史はほほ笑みながら答えた。

 旧東欧共産政権時代、共産政権が公表する経済統計は多かれ少なかれ操作されていた。

 「やはりそうですか」

 記者の相槌(あいづち)に力を得たのか、同女史は「好奇心から法輪功の集会に参加したことがありますが、その直後から毎年届く中国ナショナルデーの招待状がしばらく来なくなったんですよ」といった話もしてくれた。

 記者がインタビューを申し込んだ時、女史の受け答えに少々不自然さが感じられた。

 女史は「中国大使館からの人間ではないか」といった疑いを抱いていたのかもしれない。記者が反日デモ問題を取り上げたころから、女史は安心したのか、次第に饒舌(じょうぜつ)となっていった。

 同女史によると、ウィーン国際比較経済研究所(WIIW)が中国経済の研究に乗り出す時、中国出身者を中国経済担当に充てるかどうかでかなり激しい議論があったという。最終的には「中国人の場合、経済分析が操作される危険性がある」との判断から、女史が担当することになったという。

 「私は中国語を学ぼうとしたのですが、この年では難しいことが分かり、あきらめました」

 中国語学生などの助けを受け、中国政府の経済統計を分析する。

 WIIWは旧東欧共産圏の経済分析で世界的な評価を受けている。そのWIIWが長年蓄えた経験を大国・中国の経済分析に応用している。

 中国経済に取り組んで十年余り。欧州の中国経済専門家として、自信と風格がでてきた。

(O)

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2005年07月29日

日本人が入植し易い地

ブラジルにて

 バスで一時間、八十キロ先の友人宅を訪ねたところ、この地域の日系人社会をよく知る婦人に出会った。いろいろと話を伺ったが、何よりも目を引いたのは、『跳躍への道』という一冊の本だった。

 これは、私の住んでいる町を中心に半径百キロほどの広域圏での、日系人の歴史をまとめ、二十年ほど前に出版されたもの。とりわけ、戦後移民の入植から、このあたり一帯の各都市ができるまでの貴重な記録である。

 サントス港に到着して直接入植し、開墾が始まってできたコーヒー園。やがて、気候が変化し、霜の被害が深刻になると、コーヒー栽培にも陰りが見え、次第に大豆やトウモロコシへと移っていった。

 お陰で、いくつかの近郊都市では、日系人の市長が生まれたし、わが町の開拓者たちも、日系人が中心だった。しかし、近年では日本人会も解散に追い込まれる都市も見え始め、今では若者たちはこぞって日本へ向かい、五年、十年と帰ってこない人々が増えている。別の意味で少子高齢化が見て取れるのが、日系人社会の実情だ。

 今後、新たな移民の時代が来るとしたら、日本人が苦労して、社会的にも確固たる市民権を獲得したブラジルは、地球上で日本人を理解してくれる格好の候補地に違いない。その中でも、穀倉地帯として名高いこの地域は、日本人の約束の地になるだろう。

(Junichi・マットグロッソドスル州在住)

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気迫が足りない?反政府デモ

フィリピンより

 フィリピンでは大統領の進退問題をめぐり、毎週のように反政府デモが繰り返されている。最近のデモというと中国の反日デモが衝撃的だったが、フィリピンの場合は破壊活動を伴う過激なデモは今のところ起きていない。

 これまで数万人規模の集会が何度も行われているが、警官隊との衝突もほとんど起きておらず、集会は歌あり踊りあり冗談ありと、何かの催し物のような平和な雰囲気が漂っており、地元紙は一様に「今回は気迫が足りない」と評論している。

 あれだけ政府に不満を持つ人々が集結したにもかかわらず暴動に発展しないのは、やはり穏やかな国民性の表れといえるだろう。

 熱心な参加者がいる一方で、集会で支給される食料などが目的の参加者も多くいるのも事実。集会参加者の買収は政権交代劇のたびに話題になるが、今回も両陣営が参加者を買収したと水掛け論を展開している。

 実際のところ、この国で参加者の買収は周知の事実のようなもので、現地のニュース番組には賃金と弁当を目当てに両陣営の集会に参加したというツワモノが登場し「政治よりも今日の食事」と貧しい生活の改善を訴えていた。

 アロヨ大統領に辞任を求める国民が多い一方で、民衆蜂起(ほうき)による政権交代という「悪習」を断ち切りたいと望む国民も多く、大統領支持率が歴代大統領で最悪を示しながらも、反政府デモの参加者は頭打ち状態となっている。

 これまで、デモの拡大で大統領辞任を狙っていた野党陣営も弾劾による政権交代に方針を転換するなど、この国の政治の在り方も少しずつだが変わってきている。

(F)

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2005年07月28日

カーナビは今や必需品

韓国にて

 知り合いの人の車に乗る機会があった。その車には買ったばかりとみえるカーナビが付いていた。

 韓国ではここ数年、週休二日制が企業、公共機関などにも浸透し、週末などレジャーに出かける人が増えてきた。またレジャー産業の活性化に伴い、必需品として浮上しているのがカーナビだ。

 業界筋は、「カーナビの市場規模は昨年の二十万台水準から今年は五十万台水準になる」と予測。「男性は主にねずみ取りのカメラの位置を把握するために、女性は道路案内のために、製品を購入している」ようだ。

 韓国のカーナビは専用端末が高価だったこともあり、安いPDAにナビゲーションソフトと外付けのGPS機器を取り付けるタイプから普及が始まった。現在はPDAナビを製造していたメーカーなどから三万〜五万円台の普及タイプの専用端末機が続々と出て一般化してきている。

 この業界では、シンクウェアのiNAVIシリーズが人気だ。ここのカーナビは、地図情報がSDやCFメモリーカードなどリライト可能な媒体になっており、地図情報のアップデートが簡単で、頻繁に更新されているためだ。ねずみ取り情報も追加でどんどん入力されている。

 実際にねずみ取りが近づくと、「危険地域です。制限速度は○○キロです」というアナウンスが流れる。私も見ていると欲しくなった。現在、うちのかみさんを説得中だ。

(Netseoul・ソウル在住)

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熱波と冷夏

米国より

 先週からこのかた、米国各地は熱波に襲われている。カリフォルニアやアリゾナ、ネバダ州といった西部・中西部では軒並み、四〇度以上に気温が上昇。カリフォルニア州デスバレーでは、日中の気温が五四度を記録した。この猛暑が原因で、お年寄りや子供、またホームレスの人々が熱中症で命を落とすケースも増えている。CNNは、アリゾナ州フェニックスだけで、少なくとも二十四人が死亡したと報道している。

 この熱波、先週末から東に移動し、オクラホマ州やミズーリ州、さらにニュージャージー州南部まで到達。同州でも熱中症による死亡者が出ている。「トライステーツ」と呼ばれるニューヨーク、ニュージャージー、コネティカット三州はこれまで、日中の気温が三〇度に達しない涼しい日が続いていた。このため、「熱波到来」のニュースが新聞やテレビでけたたましく報道されるや、慌てて、物置からほこりのかぶった取り付け式クーラーを出して来たのは、記者だけではない。

 しかし、天気予報によると、東海岸に到達した猛暑は三日と続かず、すぐに、冷夏に戻ると言う。「今年一番暑い日」と言われたこの日。確かに気温はいつもより高めだったが、最高気温は三四度に達した程度だった。明後日からは日中の気温でも二六度に下がる。汗だらけになって窓に取り付けたクーラーは、一日だけでご用済みとなってしまうようだ。

 さて、今年、東海岸で人々の頭を悩ましているのは、「熱波」や「冷夏」だけではない。雨があまり降らないのだ。在留日本人が多く居住するニュージャージー州バーゲン郡でも渇水で貯水湖の水位が下がり、一部の町で節水制限が呼び掛けられている。一昨年前の停電騒動もそうだが、夏の東海岸はハプニングで満ちている。

(N)

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2005年07月27日

前大統領時代の切符蘇る


デフォルメされたアロヨ大統領の似顔絵
あまりにデフォルメが過ぎるアロヨ大統領の似顔絵(マニラ市内での反政府デモにて)=F

フィリピン

 フィリピンの政治家は芸能人並みに目立つことを好む。元ニュースキャスターのデカストロ副大統領や元映画俳優のエストラダ前大統領など、この国では顔が知られていることが政治家になる必須条件である。

 街中には選挙期間でもないのに政治家の看板が乱立。公園が整備されれば市長の偉業を誇示する横断幕が掲げられ、道路が開通すれば大統領の看板も一緒に立ち、首都圏を走る軽量高架鉄道の電子切符にまで大統領の顔が印刷されるなどアピールは徹底している。

 不正選挙が疑われるアロヨ大統領の辞任をめぐり国内世論が真っ二つに分かれる中、エストラダ前大統領の顔が印刷された電子切符が出回る珍事が発生した。高架鉄道庁が大統領に反旗を翻したとのうわさが駆け巡ったが、関係者は政治的な意味はなく、予算不足でアロヨ大統領の切符を増刷できず、大量に余っていた前大統領の切符を使わざるを得なかったと釈明した。

 高架鉄道庁はかねてから電気料金の引き上げを理由に運賃引き上げを訴えていたが、国内情勢を考慮したアロヨ大統領によって凍結され、厳しい財政状態に陥っていた。

 出回った前大統領の顔入り切符は運輸省がすべて回収、残っている二百万枚に関しては顔の部分を塗りつぶすなどして再使用するという。切符にまで波及した政権争いだが収束の兆しはまだ見えない。

(マニラ在住・F)

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