2005年07月30日

中国経済専門家の10年

オーストリアから

 「外国投資額は操作されている可能性があります。通常は実際の額より多めに公表されています」

 中国経済統計の信頼性について問いただした時、中国経済専門家、ウルバン女史はほほ笑みながら答えた。

 旧東欧共産政権時代、共産政権が公表する経済統計は多かれ少なかれ操作されていた。

 「やはりそうですか」

 記者の相槌(あいづち)に力を得たのか、同女史は「好奇心から法輪功の集会に参加したことがありますが、その直後から毎年届く中国ナショナルデーの招待状がしばらく来なくなったんですよ」といった話もしてくれた。

 記者がインタビューを申し込んだ時、女史の受け答えに少々不自然さが感じられた。

 女史は「中国大使館からの人間ではないか」といった疑いを抱いていたのかもしれない。記者が反日デモ問題を取り上げたころから、女史は安心したのか、次第に饒舌(じょうぜつ)となっていった。

 同女史によると、ウィーン国際比較経済研究所(WIIW)が中国経済の研究に乗り出す時、中国出身者を中国経済担当に充てるかどうかでかなり激しい議論があったという。最終的には「中国人の場合、経済分析が操作される危険性がある」との判断から、女史が担当することになったという。

 「私は中国語を学ぼうとしたのですが、この年では難しいことが分かり、あきらめました」

 中国語学生などの助けを受け、中国政府の経済統計を分析する。

 WIIWは旧東欧共産圏の経済分析で世界的な評価を受けている。そのWIIWが長年蓄えた経験を大国・中国の経済分析に応用している。

 中国経済に取り組んで十年余り。欧州の中国経済専門家として、自信と風格がでてきた。

(O)

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2005年07月29日

日本人が入植し易い地

ブラジルにて

 バスで一時間、八十キロ先の友人宅を訪ねたところ、この地域の日系人社会をよく知る婦人に出会った。いろいろと話を伺ったが、何よりも目を引いたのは、『跳躍への道』という一冊の本だった。

 これは、私の住んでいる町を中心に半径百キロほどの広域圏での、日系人の歴史をまとめ、二十年ほど前に出版されたもの。とりわけ、戦後移民の入植から、このあたり一帯の各都市ができるまでの貴重な記録である。

 サントス港に到着して直接入植し、開墾が始まってできたコーヒー園。やがて、気候が変化し、霜の被害が深刻になると、コーヒー栽培にも陰りが見え、次第に大豆やトウモロコシへと移っていった。

 お陰で、いくつかの近郊都市では、日系人の市長が生まれたし、わが町の開拓者たちも、日系人が中心だった。しかし、近年では日本人会も解散に追い込まれる都市も見え始め、今では若者たちはこぞって日本へ向かい、五年、十年と帰ってこない人々が増えている。別の意味で少子高齢化が見て取れるのが、日系人社会の実情だ。

 今後、新たな移民の時代が来るとしたら、日本人が苦労して、社会的にも確固たる市民権を獲得したブラジルは、地球上で日本人を理解してくれる格好の候補地に違いない。その中でも、穀倉地帯として名高いこの地域は、日本人の約束の地になるだろう。

(Junichi・マットグロッソドスル州在住)

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気迫が足りない?反政府デモ

フィリピンより

 フィリピンでは大統領の進退問題をめぐり、毎週のように反政府デモが繰り返されている。最近のデモというと中国の反日デモが衝撃的だったが、フィリピンの場合は破壊活動を伴う過激なデモは今のところ起きていない。

 これまで数万人規模の集会が何度も行われているが、警官隊との衝突もほとんど起きておらず、集会は歌あり踊りあり冗談ありと、何かの催し物のような平和な雰囲気が漂っており、地元紙は一様に「今回は気迫が足りない」と評論している。

 あれだけ政府に不満を持つ人々が集結したにもかかわらず暴動に発展しないのは、やはり穏やかな国民性の表れといえるだろう。

 熱心な参加者がいる一方で、集会で支給される食料などが目的の参加者も多くいるのも事実。集会参加者の買収は政権交代劇のたびに話題になるが、今回も両陣営が参加者を買収したと水掛け論を展開している。

 実際のところ、この国で参加者の買収は周知の事実のようなもので、現地のニュース番組には賃金と弁当を目当てに両陣営の集会に参加したというツワモノが登場し「政治よりも今日の食事」と貧しい生活の改善を訴えていた。

 アロヨ大統領に辞任を求める国民が多い一方で、民衆蜂起(ほうき)による政権交代という「悪習」を断ち切りたいと望む国民も多く、大統領支持率が歴代大統領で最悪を示しながらも、反政府デモの参加者は頭打ち状態となっている。

 これまで、デモの拡大で大統領辞任を狙っていた野党陣営も弾劾による政権交代に方針を転換するなど、この国の政治の在り方も少しずつだが変わってきている。

(F)

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2005年07月28日

カーナビは今や必需品

韓国にて

 知り合いの人の車に乗る機会があった。その車には買ったばかりとみえるカーナビが付いていた。

 韓国ではここ数年、週休二日制が企業、公共機関などにも浸透し、週末などレジャーに出かける人が増えてきた。またレジャー産業の活性化に伴い、必需品として浮上しているのがカーナビだ。

 業界筋は、「カーナビの市場規模は昨年の二十万台水準から今年は五十万台水準になる」と予測。「男性は主にねずみ取りのカメラの位置を把握するために、女性は道路案内のために、製品を購入している」ようだ。

 韓国のカーナビは専用端末が高価だったこともあり、安いPDAにナビゲーションソフトと外付けのGPS機器を取り付けるタイプから普及が始まった。現在はPDAナビを製造していたメーカーなどから三万〜五万円台の普及タイプの専用端末機が続々と出て一般化してきている。

 この業界では、シンクウェアのiNAVIシリーズが人気だ。ここのカーナビは、地図情報がSDやCFメモリーカードなどリライト可能な媒体になっており、地図情報のアップデートが簡単で、頻繁に更新されているためだ。ねずみ取り情報も追加でどんどん入力されている。

 実際にねずみ取りが近づくと、「危険地域です。制限速度は○○キロです」というアナウンスが流れる。私も見ていると欲しくなった。現在、うちのかみさんを説得中だ。

(Netseoul・ソウル在住)

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熱波と冷夏

米国より

 先週からこのかた、米国各地は熱波に襲われている。カリフォルニアやアリゾナ、ネバダ州といった西部・中西部では軒並み、四〇度以上に気温が上昇。カリフォルニア州デスバレーでは、日中の気温が五四度を記録した。この猛暑が原因で、お年寄りや子供、またホームレスの人々が熱中症で命を落とすケースも増えている。CNNは、アリゾナ州フェニックスだけで、少なくとも二十四人が死亡したと報道している。

 この熱波、先週末から東に移動し、オクラホマ州やミズーリ州、さらにニュージャージー州南部まで到達。同州でも熱中症による死亡者が出ている。「トライステーツ」と呼ばれるニューヨーク、ニュージャージー、コネティカット三州はこれまで、日中の気温が三〇度に達しない涼しい日が続いていた。このため、「熱波到来」のニュースが新聞やテレビでけたたましく報道されるや、慌てて、物置からほこりのかぶった取り付け式クーラーを出して来たのは、記者だけではない。

 しかし、天気予報によると、東海岸に到達した猛暑は三日と続かず、すぐに、冷夏に戻ると言う。「今年一番暑い日」と言われたこの日。確かに気温はいつもより高めだったが、最高気温は三四度に達した程度だった。明後日からは日中の気温でも二六度に下がる。汗だらけになって窓に取り付けたクーラーは、一日だけでご用済みとなってしまうようだ。

 さて、今年、東海岸で人々の頭を悩ましているのは、「熱波」や「冷夏」だけではない。雨があまり降らないのだ。在留日本人が多く居住するニュージャージー州バーゲン郡でも渇水で貯水湖の水位が下がり、一部の町で節水制限が呼び掛けられている。一昨年前の停電騒動もそうだが、夏の東海岸はハプニングで満ちている。

(N)

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2005年07月27日

前大統領時代の切符蘇る


デフォルメされたアロヨ大統領の似顔絵
あまりにデフォルメが過ぎるアロヨ大統領の似顔絵(マニラ市内での反政府デモにて)=F

フィリピン

 フィリピンの政治家は芸能人並みに目立つことを好む。元ニュースキャスターのデカストロ副大統領や元映画俳優のエストラダ前大統領など、この国では顔が知られていることが政治家になる必須条件である。

 街中には選挙期間でもないのに政治家の看板が乱立。公園が整備されれば市長の偉業を誇示する横断幕が掲げられ、道路が開通すれば大統領の看板も一緒に立ち、首都圏を走る軽量高架鉄道の電子切符にまで大統領の顔が印刷されるなどアピールは徹底している。

 不正選挙が疑われるアロヨ大統領の辞任をめぐり国内世論が真っ二つに分かれる中、エストラダ前大統領の顔が印刷された電子切符が出回る珍事が発生した。高架鉄道庁が大統領に反旗を翻したとのうわさが駆け巡ったが、関係者は政治的な意味はなく、予算不足でアロヨ大統領の切符を増刷できず、大量に余っていた前大統領の切符を使わざるを得なかったと釈明した。

 高架鉄道庁はかねてから電気料金の引き上げを理由に運賃引き上げを訴えていたが、国内情勢を考慮したアロヨ大統領によって凍結され、厳しい財政状態に陥っていた。

 出回った前大統領の顔入り切符は運輸省がすべて回収、残っている二百万枚に関しては顔の部分を塗りつぶすなどして再使用するという。切符にまで波及した政権争いだが収束の兆しはまだ見えない。

(マニラ在住・F)

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医療費の自己負担効果

ドイツ

 ほとんど病気になることのない私だが、先月頭痛が続き、薬を飲んでも治まらなかったので、久しぶりに医者に行った。仕事上、毎日座ってばかりで少し背中が痛く、それが頭痛の原因ではないかということで、一週間通って毎日温熱治療を受けることになった。

 ほとんどの人が入っている公的健康保険の場合、以前なら世帯主が保険に入っていれば、子供が何人いようとも、本人のみならず家族全員の治療費は無料だった。しかし日本と同様に、高齢化がすすむドイツでは、赤字が深刻化し、健康保険制度の見直しが行われ、去年から自己負担が導入された。

 自己負担といっても、今回私が払ったのは十ユーロ(約千三百五十円)のみ。これで四半期内は何度治療に通っても、また眼科や耳鼻科などの別の病院に行っても、もう何も払う必要はない。それに子供はまだ無料だ。これだけで、どのくらい保険会社の負担を少なくすることができるのかと思うが、結構効果があったようだ。

 ある人が冗談で、この自己負担導入の結果、ドイツ人は急に健康になったと言っていた。以前のように、たいした病気でなくても、いつでも気兼ねなく医者にかかるというわけにはいかなくなったためだ。例えば六月に治療を始めれば七月になるとまた十ユーロを払わなければならず、少し我慢して新たな四半期が始まるのを待つという人も出てくるわけだ。

(ドイツ・ノイス在住 若山計雄)

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2005年07月26日

子どもが憂鬱な夏休み

ニューヨークにて

 米国の公立学校では、日本よりかなり早い、六月中旬から夏休みが始まり、新学期がスタートするのは九月から。「二カ月半の夏休み」と聞くと、日本ではさぞ、うらやましくみえるかもしれないが、こちらの子どもたちには、長すぎる休暇は苦痛とも受け止められている。

 まず、夏休みが始まった二、三週間は喜びで満ちている。地方の教育委員会が企画したサマーキャンプや、キリスト教会主催のサマースクールもある。七月四日の独立記念日は共働きの両親も連休を取り、家族そろっての旅行や記念行事への参加など、楽しいことが目白押しだ。

 しかし、キャンプなどの企画は夏休みの前半でほぼ終了してしまう。仕事が忙しい親がそうそう家族サービスを行うわけにもいかない。ベビーシッターと顔を突き合わせ、子どもは家で無為に時間を過ごすばかり。教育熱心な親になると、家庭教師を呼び、新学年に向けての復習・予習に余念がないが、これにしても、遊びたいさかりの子どもたちにとっては退屈そのものだろう。

 外に遊びに出かけようにも、ニューヨークやニュージャージーでは、十三歳以下の児童が一人歩きすることも禁じられている。保護者なしで、子どもたちが通りで遊んでいるようならば、口うるさい隣人が警察に通報しかねない。一昔前とは違い、米国でも日本同様、小中学生が遊びほうける夏休みは「絶滅」している。

(N)

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W杯開催中も工事現場だらけ

 ベルリンは例年、夏休み期間に入ると工事が多くなる。通学・通勤ラッシュの影響を最小限に防げるからだ。それでも、今年の夏の工事現場の量は異常に多い。来年夏に行われるサッカー・ワールドカップ(W杯)に間に合わせようとしているからだ。

 工事の影響で現在、列車の一部の路線が通行止めとなっている。臨時バスを使うか、別の線を使って迂回(うかい)するしかない。ドイツでは普通のことと言えるが、工事の情報や乗り換え案内が不十分だ。英語の案内は一切ない。突然、この駅で降りてくださいと言われ、右往左往する人々の姿をよく目にする。

 ドイツ分裂と統一の象徴であるブランデンブルク門周辺の道路は軒並み通行止め。西ベルリン最大の駅前の大通りも工事中。工事はW杯直前に完成するはずだったが、一部はW杯期間にもずれ込む見通しとなった。

 これに加えて、存続をめぐって物議を醸した旧東独共和国宮殿は来年中に解体されることになった。これは、ウンター・デン・リンデン通りを挟んで世界文化遺産の「博物館」の向かい側にある。ベルリンを代表する観光スポットだけに、工事現場は景観を損なってしまう。ドイツ統一から十五年が経過し、大工事も一段落ついたかのように思えたが、ドイツ分裂の“負の遺産”がまだまだ多く残っていることを印象付けている。

 ただ、ベルリナー(ベルリン市民)は工事に慣れきっているようだ。工事現場を眺めるのが好きな人も多いようで、駅や道路でしばらく立ち止まっている。新中央駅には工事に関するインフォメーションがあり、常にたくさんの人々でにぎわっている。

 統一直後、無数のクレーンを見ながら将来に希望を見いだした市民は少なくなかった。未完成で躍動的なベルリンは、魅力の一つだと言える。

(T)

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2005年07月25日

ロシア人と蚊

 ロシアの首都モスクワには、森が多い。市のあちこちに広大な森があり、市民の憩いの場となっている。ロシア人は森が大好きで、筆者もよく誘われて一緒に散歩に出掛ける。友人たちは、心から幸せそうだ。

 しかし、モスクワの夏の森で日本人がリラックスするのはかなり難しい。

 なぜか?

 夏の森には、「蚊」が超大量に生息しているのだ。森の奥に入ると、蚊が一斉攻撃をしてくる。蚊に襲われるストレスで、とても「森林浴」を満喫できない。

 ところが、ロシア人は蚊の大群の中を「幸せだなー」と歩いていく。なぜだろうか。

 日本人とロシア人が一緒に森を散歩する。すると、当然どちらも同じくらい刺される。ところが、ロシア人は刺されても、ほとんど腫れないし、そのわずかな跡も二、三時間で消えてしまう。一方、日本人はかゆくて夜も眠れず、跡は二、三日残る。なぜこのようなことが起こるのか、いろいろな人に聞いてみた。

 長い探求の結果、ある女性の言葉が啓示を与えてくれた。

 筆者はその女性に、「あなたには三歳の子供がいますが、ダーチャ(郊外の小さな別荘)には蚊が山ほどいるでしょう? 子供はどうしているのですか」と質問した。彼女の回答は驚くべきものだった。

 「三日くらい刺されまくれば、慣れますよ!」

 この一言で分かった。ロシア人は日本人と違って、蚊対策をしない。そのため、子供時代に刺されまくる。刺されまくると、免疫ができてしまう。

 「打たせて慣れる」

 そういえばロシア人は、風邪を引いても薬をのまないし、重病でも夏には必ずダーチャで農業をする。

 こんな具合だから、ロシア人は国が消滅しても、ハイパーインフレでも、淡々と暮らしていけるのだろう。

(Y)

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2005年07月23日

千変万化のカレー


バナナリーフカレー
南インド風ランチ、バナナリーフカレー

インド

 インドといえばカレーだ。だが、その味は千変万化で各家庭ごとに味は違っているといっても過言ではない。今回、南インドの研修ツアーに参加した。ほとんど毎日、カレーを食べることになったが、毎回そのカレーの味が違っていた。

 一番おいしかったのは、中世の南インドで強大な勢力を誇ったビジャヤナガル王国の首都ハンピのカレーだった。レストランの名前はマンゴーレストラン。思い込みが激しい方なので、独断を避けるため同行したみんなにも聞いてみた。意外にもみんなマンゴーレストランのカレーが最高だということで一致した。

 無論、マンゴーレストランのシェフの腕が良かったのは間違いがない。ハンピはヒンズー教の聖地であるし、観光地としても名高いので、繁華街に立地していれば客に困ることはないのだろうが、マンゴーレストランは辺鄙(へんぴ)な畑の中にあった。

 丘の上にあるレストランから眺める景色は抜群だが、口コミでうまい店という評判が立たなければ、すぐにつぶれてしまうような店だ。だからこそ、腕によりをかけカレー作りに精を出したのかもしれないが、文句なくうまかった。

 だがハンピのマンゴーレストランがうまいのは、それだけではないような気がした。ビジャヤナガル王国は南インド全域を治め貿易活動も盛んに行い、東は中国から西はポルトガルにまで達していた。ハンピは世界中の物や人が集まる集積センターとして機能していたわけだが、世界中の香辛料が集まったハンピには香辛料を使い分けるセンスと技術が磨かれたのではないか。

 カレーはアジアの香辛料だけなく、南米の唐辛子がインドに入り完成された経緯があるが、インドでカレーが誕生したのは、交易センターとしての地政学的影響が濃厚なように思う。

(T)
  
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2005年07月22日

「カレッサ」のカラクリ


フィリピンの子どもたち
ひとつのアイスクリームを回し食いする3人組。なんでも分け合う精神は子供時代に養われる。フィリピン首都圏タタロン地区

フィリピン

 「ああ、やられた」些細(ささい)なことだが、ひさしぶりに嫌な思いをした。

 先日、首都圏にあるリサール公園という所に家族と遊びに行った。公園の周囲には「カレッサ」と呼ばれるスペイン風の馬車が走っており、観光名物として有名な一方で、旅行者の間では料金を「吹っかける」ことでも知られている。

 妻が乗りたいと言うので試しに料金を確認すると「百ペソ(約二百円)でいい」とのこと。意外と安いと思い、利用することにしたが考えが甘かった。

 馬車の旅は四十分以上に及び、観光案内も面白くスペイン時代の城塞(じょうさい)跡まで案内してくれた。これで百ペソは安いと思い、奮発して百五十ペソを差し出すと、馬車主は首を横に振り「一人百ペソだ」と言い出した。

 「ああ、やられた」と思い、負けじと値切ろうとしたが、「no deal!」(取引はしない!)と、交渉は一方的に打ち切られる始末。

 家族も一緒だったし、それほど高い料金でもなかったので、小さい子供を除き三百ペソを払ったが、馬車主の豹変(ひょうへん)ぶりに家族が唖然(あぜん)とするなど、せっかくの観光に水を指された感じだった。

 乗りたいと言い出した妻は責任を感じたのか、観光そっちのけで運賃相場の聞き取りを始めた。その結果、一人百ペソは一般的な値段であることが判明し不愉快な気分も少し和らいだが、「正規料金なら何で最初から一人百ペソと言わないんだ」と違う不満が浮上する始末。結局、二人乗りの馬車に無理やり四人を乗せた時に、カラクリに気付くべきだったとの結論に達したが、後の祭りだった。

(F)
  
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2005年07月21日

スーパースター予備軍


ミシェル・ウィー
ミシェル・ウィー=UPI
 タイガー・ウッズ(28=米国)が全英オープンで圧勝したことで、米男子ゴルフ界も再び話題と人気を高めつつあるようだ。女子ゴルフは、十五歳の天才少女ミシェル・ウィー(ハワイ州)が三百ヤードドライブを飛ばし、プロトーナメントでも上位に入り、史上最年少のアマによるプロツアー優勝への期待が膨らむ。

 天才、スーパースターの出現は、スポーツ人気の高揚には欠かせないもので、米ゴルフ界全体が活気を得ている。

 ウッズは四度目のメジャー完全優勝で同十勝目。帝王ニクラウスの持つメジャー十八勝超えの期待が高まる。ニクラウス自身は「アーノルド・パーマーの七勝を合わせたくらいのメジャー制覇を記録するだろう」と、ウッズへの期待を述べている。ウッズ自身も「二十代でこんなにたくさんのメジャーを勝てるとは思わなかった。でも、ゴルファーにとって三十代はゴールデンイヤーズ」と来年二月に三十歳を迎えるウッズは、これからもさらに大きな目標を達成していく意気込みを語っている。

 日本でも天才ゴルファー宮里藍(20)の出現で女子ゴルフの人気が高まっているが、まだ米国の舞台では優勝に手が届かない。一方、女王のアニカ・ソレンスタム(36=スウェーデン)はすでにツアーで六十勝以上を挙げ、圧倒的強さを誇っている。十代で「天才」と騒がれ、三十代でまでに次々と記録を伸ばしていくのがゴルフ界のスーパースターの歩むパターンだが、米国には次々と十代の女子天才ゴルファーが出現している。

 南カリフォルニアもゴルフ人口が非常に多いところだが、中学生でも二百五十ヤード以上を軽く飛ばし、次々にバーディーを連取する子たちがいる。「スーパースター予備軍」の底辺は圧倒的に広い。

(M)
  
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2005年07月20日

ベリーダンスの不思議な力


情熱的なベリーダンス
日本人ダンサー「マキ」さん
 エジプトの首都カイロでは、夏本番に差し掛かるこの季節になると、日本でもかなりのブームになっていると聞くベリーダンス(おなかを激しく振るのを特色とする古代エジプトに始まった伝統的で情熱的な踊り)の魅力を求めて、世界中からダンサーたちが集まってくる。

 彼女たちを組織的に訓練するワークショップが、市内の一流ホテルで開催されて、本場の教育がみっちり施されることから、年々集うダンサーたちが増え続けている。

 「これは金になる」として味を占めた主催者側は、利権をめぐって今年は二つの団体に分裂したとのことなどから、それぞれが千人ほどのダンサーたちを引き付けて大盛況だった。

 ロシアやイタリア、スペイン、フランス、英国、オーストリアなどのヨーロッパ勢をはじめ、日本、韓国、台湾、中国、シンガポールなどのアジア勢、ブラジル、ペルー、アルゼンチン、ベネズエラ、メキシコなどの南米勢、モロッコ、アルジェリア、トルコ、レバノンなどの中東、アフリカ諸国、米国、カナダなども含め三十カ国のダンサーが集った様はかなりの迫力だった。日本からは、百人もの若いダンサーたちが押し掛けている。

 衣装の派手さやけばけばしさは、太陽がぎらつく南国ならではのもの。身に着け、あるいは見ているだけでも楽しい気分にさせられる。エジプトの音楽は日常聞くとあまりの騒々しさに音を上げたくなる(日本人のほぼ共通の感覚)のだが、ベリーダンサーを前にすると実に最適、激しいドラムのリズムと、甲高い笛の音や歌声は、ダンサーを情熱的にさせ、おなかから腰にかけての小刻みな魔術的な振動を誘い、観客を興奮させる不思議な力を持っている。

(S)
  
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バカンスを過ごす知恵

 バカンスの第一陣が七月初旬に出発したフランスでは、新しいバカンスの過ごし方が注目を集めている。その名もベビーシッターならぬホームシッターで、バカンスで留守中の自宅に滞在し、植物やペットの世話、家の中や庭の掃除などをする代わりに、無料で、その家に滞在できるというものだ。

 フランス国内のバカンス先では、南仏が圧倒的人気だが、パリで過ごす南仏居住者もいる。そのため、南仏人の中には、自宅をバカンス客に貸す場合も少なくない。

 ところが、有料で貸すとなれば、それなりに気を使う。そのため、お金に困っていない人たちは近年、大都市からバカンスに訪れる人に無料で自宅を貸す代わりに、自宅の管理を行ってもらうというホームシッターを探すケースが増えているというわけだ。

 貸す人の多くは、退職者や夫婦で、子連れは好まれない。高齢化が進むフランスでは、生涯現役という考えは毛頭ないから、バカンス客も高齢者が急増。退職した年金生活者の夫婦は、なるべく、ローコストでバカンスを過ごしたいので、ホームシッターを買って出る人も増えている。

 無論、往復の旅費や食費は自前だが、中には南仏の一等地の豪邸というケースもあり、ホームシッターしながら、優雅な夏を過ごす人もいる。また、そこの住人がパリにバカンスに行く場合は、家やアパートを交換して、互いにホームシッターをするケースもあるという。

 バカンス大国のフランスでは、日本人が考えるようには、バカンスにお金を掛けないのが普通だ。一カ月近く滞在するわけだから、バカンス先ではスーパーに買い物に行き、普通に生活している。ホームシッターのバカンス大国ならではの知恵で、ローコストで豊かなバカンスを過ごす知恵と言えそうだ。

(A)

  
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2005年07月19日

アニメ、ファンタジー嫌い


ウラジオストクにて
ウラジオストクのアドミラル・フォーキナ通りのアーニャさんとマーシャさん
 ロシアの成人は、アニメとファンタジーが嫌いである。

 「アニメ大国」で生まれ育った日本人には理解できないが、ロシアのアニメ差別はすごい。新聞のテレビ欄を見ると、日本では「サザエさん」とか「クレヨンしんちゃん」とか名前が書いてある。しかし、ロシアの新聞には、「アニメ」とだけあり、番組名が書いてないのだ。つまり、「アニメは子供が見るもので、みんなくだらない」ということなのである。筆者がロシアの友人に、宮崎駿監督などの良質なアニメを見せようとすると、「フッ」とバカにされてしまう。それでも無理やり見せると、途中で寝てしまう。

 ファンタジー系の映画も、子供が見るものとして評判が悪い。全世界で大ヒットした「ハリー・ポッター」「ロード・オブ・ザ・リング」「スター・ウォーズ」シリーズなどを、ロシア人はバカにしている。筆者の友人でロシア人と結婚している日本人が、妻(あるいは夫)に「スター・ウォーズを見に行こう」と誘う。すると、妻(夫)は、「子供じゃん」と笑い、頭をなでなでされてしまう。

 では、ロシア人はどんな映画が好きなのか。キーワードは、「考えさせる」「深い」映画。ハリウッド映画に慣れている日本人に表現させると、人間の葛藤(かっとう)を描いた「ドロドロした」映画。

 どうして、このような趣味の違いができたのだろうか。筆者は教育の違いだと考えている。ロシア人は、中学生のころから、ドストエフスキーとかトルストイといった、人間の内面の葛藤を描く「古典的名作」を読ませられる。おかげで、「思慮深く」「考える」人になってしまうのである。

 そんな早熟なロシア人にとっては、大抵のアメリカ映画が、「低俗」なのである。

(Y)
  
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2005年07月04日

国旗にまつわるエトセトラ


比独立記念日にて
フィリピン独立記念日にて国旗掲揚に使われる巨大な国旗を支える兵士たち
 映画館で席に着き上映を待っていると、他の観客が一斉に立ち上がった。驚いてスクリーンに目を向けると、大きなフィリピンの国旗が映っていて国歌が流れ始めた。どうやら、最終上映の前には国旗掲揚が付きものらしい。

 そういえば深夜にテレビ放送が終わるときも国旗が映り国歌が流れる。郷に入れば郷に従えで、私もフィリピン人になったつもりで胸に手を当て国旗を掲揚を見守った。

 国歌はよく分からないので口パクだ。日本人の私ですらやっているというのに、最前列に座っている不良少年の一団は立ち上がらずに雑談している始末。周囲の人が立つように促し、警備員に注意され彼らは渋々立ち上がった。逆切れしないかとハラハラしたが、フィリピンの不良少年は意外と素直で安心した。

 独立記念日を前に現地の新聞に載っていたコラムによれば、国旗は日の出とともに揚げ日没とともに降ろさなければならず、古くなった国旗はゴミとして捨てるのではなく、焼却して適切に処分するとしており、守られなければ不敬罪で逮捕されるという。生活が不規則でゴミの分別が苦手な人は、国旗を揚げるのはやめたほうがよさそうだ。

 少し前の話だがフィリピンで英国人が「国旗に対する不敬罪」で訴えられた。ゴルフ大会での国旗掲揚の際に、周囲の注意にかかわらず食事をやめなかったという。よほど空腹だったのか、それとも立つのが面倒だったのか知らないが、クラブの会員が怒って検察局に訴えた。その後この英国人は謝罪し刑務所行きは免れたが、私も映画館で座り続けていたら新聞の見出しを飾っていたかもしれない。

(F)
  
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ウェブ・コミュニティー

 米国の首都ワシントンDC周辺に、日本人がどのくらい生活しているのか正確な数字は分からないが、ヒスパニック(中南米)系や韓国人などに比べるとその数ははるかに少ない。

 春に行われる桜まつり以外はあまり目立たない日本人コミュニティーだが、それでも「ネットワーク」の点では他の国に負けていないと思うことがある。その媒体となっているのが、インターネットだ。

 ネット上で情報を交換する掲示板は、ワシントン周辺に住む日本人にとって重要な生活ツールになっている。書き込まれる情報は、レストランやイベントなど身近なものから、日米の文化の違いに関する話題までさまざま。

 記者のように右も左も分からないままワシントンにやってきた者にとって、同じ境遇を経験した日本人から提供されるアドバイスはこの上なく貴重なのだ。

 その中でも特に助けられたのが、売り買い情報。政府機関や企業からこちらに派遣されてきた人の大半は数年で帰国する。その際、持って帰れない家具や家電製品を「ムービングセール」としてネット上の掲示板で売り出すのだ。

 記者もそこで掃除機やプリンター、ゴルフセットなどを購入したが、市価の十分の一程度の値段で譲ってもらうことができた。引っ越してきたばかりの出費がかさむ時期に大きな助けとなった。

 また、掲示板に身近な生活に関する疑問を書き込むと、数十分後にはいくつかコメントが返ってくる。見知らぬ者に対して親身な回答を寄せてくれる人がいることをつくづくありがたいと思う。

 相手の本名も顔も分からないネット上のやり取りだが、パソコン画面を媒介に日本人が異国の地で支え合っているという温かい気持ちになれるのである。(H)
  
Posted by sekai_no_1 at 13:39Comments(0)TrackBack(0)