2005年07月23日

千変万化のカレー


バナナリーフカレー
南インド風ランチ、バナナリーフカレー

インド

 インドといえばカレーだ。だが、その味は千変万化で各家庭ごとに味は違っているといっても過言ではない。今回、南インドの研修ツアーに参加した。ほとんど毎日、カレーを食べることになったが、毎回そのカレーの味が違っていた。

 一番おいしかったのは、中世の南インドで強大な勢力を誇ったビジャヤナガル王国の首都ハンピのカレーだった。レストランの名前はマンゴーレストラン。思い込みが激しい方なので、独断を避けるため同行したみんなにも聞いてみた。意外にもみんなマンゴーレストランのカレーが最高だということで一致した。

 無論、マンゴーレストランのシェフの腕が良かったのは間違いがない。ハンピはヒンズー教の聖地であるし、観光地としても名高いので、繁華街に立地していれば客に困ることはないのだろうが、マンゴーレストランは辺鄙(へんぴ)な畑の中にあった。

 丘の上にあるレストランから眺める景色は抜群だが、口コミでうまい店という評判が立たなければ、すぐにつぶれてしまうような店だ。だからこそ、腕によりをかけカレー作りに精を出したのかもしれないが、文句なくうまかった。

 だがハンピのマンゴーレストランがうまいのは、それだけではないような気がした。ビジャヤナガル王国は南インド全域を治め貿易活動も盛んに行い、東は中国から西はポルトガルにまで達していた。ハンピは世界中の物や人が集まる集積センターとして機能していたわけだが、世界中の香辛料が集まったハンピには香辛料を使い分けるセンスと技術が磨かれたのではないか。

 カレーはアジアの香辛料だけなく、南米の唐辛子がインドに入り完成された経緯があるが、インドでカレーが誕生したのは、交易センターとしての地政学的影響が濃厚なように思う。

(T)


sekai_no_1 at 21:39│Comments(0)TrackBack(0)アジア 

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