2005年07月29日

日本人が入植し易い地

ブラジルにて

 バスで一時間、八十キロ先の友人宅を訪ねたところ、この地域の日系人社会をよく知る婦人に出会った。いろいろと話を伺ったが、何よりも目を引いたのは、『跳躍への道』という一冊の本だった。

 これは、私の住んでいる町を中心に半径百キロほどの広域圏での、日系人の歴史をまとめ、二十年ほど前に出版されたもの。とりわけ、戦後移民の入植から、このあたり一帯の各都市ができるまでの貴重な記録である。

 サントス港に到着して直接入植し、開墾が始まってできたコーヒー園。やがて、気候が変化し、霜の被害が深刻になると、コーヒー栽培にも陰りが見え、次第に大豆やトウモロコシへと移っていった。

 お陰で、いくつかの近郊都市では、日系人の市長が生まれたし、わが町の開拓者たちも、日系人が中心だった。しかし、近年では日本人会も解散に追い込まれる都市も見え始め、今では若者たちはこぞって日本へ向かい、五年、十年と帰ってこない人々が増えている。別の意味で少子高齢化が見て取れるのが、日系人社会の実情だ。

 今後、新たな移民の時代が来るとしたら、日本人が苦労して、社会的にも確固たる市民権を獲得したブラジルは、地球上で日本人を理解してくれる格好の候補地に違いない。その中でも、穀倉地帯として名高いこの地域は、日本人の約束の地になるだろう。

(Junichi・マットグロッソドスル州在住)

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