2005年08月12日

世紀の大泥棒

ブラジルから

 八日に発生したブラジル中央銀行の盗難事件には、記者を含めてブラジル中の誰もが驚いた。借り受けていた民家から約八十メートルのトンネルを掘って金庫室を破るという「まるでハリウッド映画のような」事件は、メディアが大きく報道、翌日も新聞の一面を飾り立てるなど犯人一味は「時の人」扱いだ。

 中央銀行の金庫室から盗み出された現金は、なんと日本円に換算して七十四億円というのだから、日本で過去にあった「三億円事件」とはまさに桁が違う。

 また、この盗難事件に関しては、市民の反応もいろいろとあり面白い。ちょうど、ブラジルでは与党・労働党を巻き込んだ大掛かりな政治汚職スキャンダルが紙面をにぎわしていた時期で、「清廉潔白を謳(うた)っていた労働党も政権握れば汚職の限りか」と政治家のイメージが定着していた。

 それだけに、今回の事件では、誰かを脅して傷つけたわけでもないという背景も手伝ってか、銀行強盗=悪というイメージだけにとどまらず、「政府の金庫から金を盗み出したのだから政治家も泥棒も変わらないじゃないか」「一定以上のモラルを無視しても成功したもの勝ち」と言い始める人たちも出ている。

 犯人グループが盗みだした現金の束は重さにして三・五トンもあったという。八十メートルものトンネルを掘り進めた犯人達が札束の山を見たときにどのように感じたのか。これが映画ならば記者もわくわくするような展開なのだが、実際にあった事件となるとそれだけでは済まされない。

 現在、連邦警察が犯人グループのモンタージュ写真などを作って一味を追っているという。そのモンタージュ写真を作るきっかけとなったのが、犯人グループらが近くの店にしばしばコーヒーを飲みにきていて付近の住民が顔を覚えていた、というのだからなんとも「ブラジルらしい」事件ではある。

(A・サンパウロ在住)

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