2005年08月16日

バイロイト音楽祭の舞台裏

ドイツから

 今年のバイロイト音楽祭は、日本人の大植英次氏が東洋人として初めて指揮をしたことで話題になった。演目は「トリスタンとイゾルデ」で、三幕六時間に及ぶ大作。今年のプレミア作品で、例年のごとくケーラー大統領など主要政治家や外国から多くの著名なゲストが集まった。

 同音楽祭は、七月二十五日から八月二十八日まで、三十公演がドイツ南部バイロイトの祝祭劇場で行われ、作曲家ワーグナーのオペラのみが上映される。世界で最もチケットの倍率が高いとの評判で、入手までには最大で十年かかるといわれる。

 「トリスタン」では、スイス人のクリストフ・マルターラーによる演出にはブーイングも。また、大植氏のタクトにはオペラ歌手などから不満が続出したといわれる。日本では同音楽祭の華やかな側面だけが伝えられる傾向が強い。一方、本場ドイツでは批判の仕方は容赦がない。

 「パルシファル」は今年で二年目の作品だが、昨年のプレミア上演があまりにも不評で、演出家は内容の大幅な変更を余儀なくされた。ただ、内容が悪いのではなく、あまりの斬新さに保守的傾向が強いワグネリアン(ワーグナー・ファン)がついていけなかったともいわれている。

 今年から「パルシファル」に出演する原佐智子さんは、音楽祭の舞台裏事情を明かしてくれた。

 ワーグナー家の間でも家督争いなどで確執があり、直系の人々だけが意見を言える環境にあるという。出演者の中でもオペラ歌手は優遇されるが役者であれば誰もがエキストラ扱いだとか。その上、舞台裏にはスパイがおり、不用意な発言をすればすぐに密告されいじめに遭うそうだ。

 ドイツのオペラや劇場は通常、アットホームな雰囲気が流れているが、ワーグナーだけには当てはまらないようだ。

(T)

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sekai_no_1 at 13:12│Comments(0)TrackBack(1)ヨーロッパ 

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1. ラヴェッロとアマルフィ  [ 地中海欧羅巴くらぶ ]   2005年12月04日 04:12
少々聖杯の話の続きから・・。 一昨日アーサー王の円卓の騎士の中で聖杯に特に 関わりの深い騎士としてガラハッドやパルシファルの 名前に触れました。 日本ではいずれも馴染みが薄い名前だが、おそらく後者の 方が多少は聞いた事もあるという方も多....

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