2005年08月29日

アラブとイスラエル

トルコから

 七月にトルコを旅行した時のこと、ボスポラス海峡を航行する客船の中で、新婚旅行中のパレスチナ人青年と知り合いになった。彼は、東エルサレムに住み、二十代前半に見える若い男性だったが、記者がジャーナリストだと知って積極的に話し掛けてきた。


 記者にパレスチナ問題をどう考えるかと問うので、現在のパレスチナ・イスラエル双方の悲劇を脱出する抜本的な方法は、双方がアブラハムの子孫としての自覚を持ち、出生の原点に立ち返って、兄弟として仲良くする方策を考える以外にないのではないかと返答したところ、彼は、両民族が一体化する道は決してありえないのだと主張した。

 その理由を問いただしたところ、イスラム教の聖典コーランには、イスラエル民族はアラブ民族に対し、最初は勝利を収めるが、最終的にはアラブ民族によって打ち負かされ、滅亡するように予言されているのであって、双方の民族が仲良く共存するということはあり得ないのだと語った。

 その予言の文章はコーランのどの部分にあるのかと問いただしたが、彼は帰国後メールで指し示すからと言って別れた。その後ほぼ一カ月になるが、彼からのメールは届いていない。

 ただ、以上のような考えは、エジプト人をも含めたアラブ・イスラム世界に広く浸透しており、若者を含めた大多数が信じている。

 世界の各地で無差別テロを繰り返すイスラム教過激派を批判する人はいても、過激派育成の土壌たるイスラム教の教えそのもの及び、その原点たるコーランを問題視する人は少なかったが、コーランを片手に暴力を扇動するイスラム聖職者に対する批判が、英国同時多発テロを機に増えているようだ。

(S)

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