2005年09月08日

「ジャズの都」の未来

米国から

 「あの街がなくなるなんて残念だ…」

 最近、知人からこんな言葉をよく耳にする。大型ハリケーン「カトリーナ」によって壊滅的な打撃を受けた米南部ルイジアナ州ニューオーリンズのことである。


 ニュース番組で略奪の様子が繰り返し放映されて、すっかり「騒乱の街」のイメージが定着してしまったが、もともとは「他の都市にはない」といわれるほどユニークな雰囲気を漂わせる港町だった。

 十八世紀はフランス・ルイ王朝の植民地ルイジアナの中心地として栄え、十九世紀には米国最大の黒人奴隷市場があった。そんな歴史的経緯から、フランスやカリブ、アフリカなどの文化が混ざり合い、独特の文化を築いた。また、ジャズ発祥の地としても知られる。それだけにニューオーリンズの惨状を惜しむ米国人は多い。

 当面は人命救助や被災者のケアが最優先になるが、その一方でやはり気になるのは、街の再建の行方だ。しかし、その見通しはかなり険しいといわざるをえない。

 今後、堤防をはじめ災害対策をどんなに強化しても、市街地の大半が水面より低いすり鉢状の地形はそのままで、水害の恐怖と隣り合わせの都市構造は変わらない。

 ワシントン・ポスト紙は「ほぼ三百年前に築かれた堤防を修復しても、海抜ゼロメートル以下の危険な市街地の完全復旧は無理だろう」と悲観的な見方を示している。

 このため、一部では街を安全な地域に移す案も出ている。災害の再発を考えると、こうした選択肢が出るのもやむを得ないだろう。

 「ニューオーリンズの偉大な街が復活するのを信じている」。上空から街を視察したブッシュ大統領はこう強調したが、「ジャズの都」の未来はいかに……。

(H)

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