2005年09月15日

首をかしげる労働争議

韓国にて

 先日、韓国を代表する会社のひとつである現代自動車の労働争議が妥結しました。ストは十一日間にも及びました。

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 合意内容には理解できない事項もあって、首をかしげている次第です。それは国際基本協約の締結という項目で、「会社は国際平和、自由、人権、環境などを守るため、社会の公共福祉、人間の尊厳を尊重し、発展に尽力する」ことです。これが労働争議で合意する内容なのでしょうか?

 この労働争議の結果、会社は四千億ウォン 以上の損失と、関連企業にも三千億ウォン 以上の影響が出ました。さらに現代製の自動車の販売価格が5%上昇し、下請けからの部品供給価格が4%抑えられ、周辺の人々にも多大な迷惑をかけるものとなりました。

 韓国は労働争議が多く、かつ激しさがあります。アシアナ航空のパイロットによるストも記憶に新しいところです。七、八月の夏の観光シーズンに、二十五日間ものストを強行、これは政府の介入によって解決しましたが、経営者の手腕が問われる一幕でした。

 労働争議は、春闘以外に秋闘、さらに最近では夏闘なんて言葉までできて、一年中労働争議をしているような感覚です。一九九〇年代と比べると、おとなしくなりましたが、社会の根底には、今の生活がどうなるかわからない将来に対する不安があり、会社から取れるだけ取ろうという思惑があるのだと思います。

(きょん・ソウル在住)

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sekai_no_1 at 13:49│Comments(4)TrackBack(0)韓国・北朝鮮 

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この記事へのコメント

1. Posted by itochan   2005年09月19日 01:56
国際平和はともかく、自由は労働者の自由、人権は労働者の人権、環境は労働環境ということはないのですか?
簡単に言えば公害問題を起さない会社…などです。
会社が潰れると、従業員も困るのは一緒ですから。(の割りには、春夏秋ですか?!)

個人的には、「下請けからの部品供給価格が4%抑えられ」の部分に興味を惹かれました。
2. Posted by 蚊め!   2005年09月19日 05:52
 そんなに韓国の労働環境って劣悪なんでしょうか?1年に3回もストしないといけないほど…。自由も制限されているんでしょうかね…。もう、IWF体制はとっくに抜け出しているはずなのに…。
なんか韓国左翼(親北朝鮮政権支援団体)が扇動している気がするんですが…。もう少し誰か解説記事、トピックを出してくれないでしょうか?(といっても一番信用できるのがここしかないんだが…)
3. Posted by きょん   2005年09月23日 11:49
蚊め!さんへ。
きょんです。

韓国の労働環境が、そんなに劣悪というのでは、ありません。私が韓国の会社に勤めていて感じたのは、韓国の歴史的な社会制度と、社会不安にあるようです。韓国の社会には、両班思想というのがありまして、両班(日本でいう貴族でしょうか)以外はすべて奴隷という、そういう制度が未だに根強く残っていて、会社の管理職以上が、一般職員を奴隷のように扱っているというのと、管理職側のその権利を維持・拡張するための公然的な汚職が、おそらく労働争議の根本的な原因ではないかと思っております。
4. Posted by 蚊め!   2005年09月23日 12:47
 まだ懲りてないなんだ…両班思想。あれがあったから豊臣秀吉に韓半島席巻された原因のひとつにもなったのに…。
 なんで韓国発展の役に立たないものが根強く残っているのだろうか?
もし、私の説が真実でないなら、それをうらづける記事を載せて欲しい。

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