2005年10月25日

家事放棄でゴミ増加

フランスから

 パリ郊外に住む友人のピエールは、ゴミを分別したことがない。「日本じゃ、そういう態度は、許されないよ」と言うと、「フランスじゃ、そんな大問題にじゃないよ」と言い捨てる。すぐ隣のドイツで、多い場合、九種類にも分別し、国民はそれを厳格に守ることに快感すら覚えているのとは大違いだ。

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 実は、環境大国ドイツは、分別を細かくすることで、ゴミの量が増え、その一部の処理をフランスが請け負うという、不思議な現象が十数年前から続いている。そのフランスでは現在、ガラス類、ペットボトルなどのプラスチック類、その他という具合で、自治体によっては、燃えるゴミ、燃えないゴミの仕分け程度。

 フランス政府は、ゴミの増加や環境問題に危機感を抱き、五カ年計画を打ち出した。特に、廃棄が困難なスーパーマーケットのビニール袋などのビニール製梱包(こんぽう)材料の使用を減少させたいとしている。仏環境省によるとフランス人が年間出すゴミの量は一人当たり約三百六十キロで、十年前と比較しても四十キロ増加している。

 ゴミのリサイクル率は、12%と少なく、ヨーロッパの中でも劣等生に属する。環境省によると、特に近年、冷凍食品の梱包材の廃棄物が急増し、各自治体で処理に苦慮していることが指摘されている。実は、これは女性の社会進出や、独り暮らしの急増で、電子レンジさえあれば料理が完了する冷凍食品の消費が急増していることと関係している。

 政府は、ゴミ収集費用やリサイクルのコストが、過去十年で倍増し、年間五十二億ドルに達していることもあり、本格的な対策に乗り出さざるを得なくなっている。フランス人の、厳格さを嫌う性格もあるが、家庭崩壊、女性の家事放棄が意外なところで、深刻な事態を生んでいるとも言えそうだ。

(A)

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sekai_no_1 at 09:39│Comments(1)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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この記事へのコメント

1. Posted by 蚊め!   2005年10月26日 06:39
 そのうち自国がゴミで埋まるならいいけれど(内政干渉になるし…)、その膨大なゴミどこで処理しているんだろうか…北海とかへ捨ててるんだったら、リサイクル教育をしてあげないといけない…。海はみんなのものだから。
 ドイツが多くて9箇所?ふっ、甘いな、私が依然住んでたところなんて20種類以上に分別して出してたよ。(日本のある地方都市だけど)
 もっともガラス類(主成分は珪素)は地球上で一番ありふれたものだから、地球にとっては何の害もないけど…。

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