2005年10月28日

チャイ・ブレイク

インドから

 インドでお茶といえば香辛料入りの甘いミルクティー「チャイ」を指す。だからインドで、ちょっとお茶でも飲んで一休みといったニュアンスの「コーヒー・ブレイク」は「チャイ・ブレイク」ということになる。

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 ただ厳密に言えば、「チャイ」文化は北インドがあくまで主流で、南インドで「チャイ」はなくはないものの、「ミルクコーヒー」が専ら飲まれている。

 この「チャイ」がなかなかいける。「チャイ」はただのミルクティーではない。カルダモンやシナモン、クローブにジンジャーといったマサラ・スパイスが入っており、これがさわやかな深みをもたらす。

 この「チャイ」の歴史は、さほど古いものではない。英国がインドを植民地化して以来、始まったものだからだ。英国はインドでダージリンやアッサムで紅茶を生産させては、欧州で売りさばき財を成した。そして高級紅茶を作る際に出てくるくず茶を何とか商品化して、インド人に売りつけたのが「チャイ」の起源だとされる。「チャイ」が出来上がったのも、ダスト・ティーと呼ばれるくず茶は苦すぎて、それだけでは飲み物にならず、ミルクを加え、さらに香辛料と砂糖を入れて、なんとかおいしく飲める「チャイ」ができたからだ。

 いいものは欧州へ、そして残ったくずは奴隷状態のインド人へという構図だ。その意味では「チャイ」の渋みには、歴史の苦い味が潜んでいる。それでもうまいといって飲んでいるインド人の寛容さと忍耐力こそが、褒められるべきものかもしれない。

 英国人は一杯の紅茶で、「七つの海を制覇した」自尊心を飲み干した。紅茶はインドのダージリン産で、砂糖はキューバ産だったからだ。「チャイ」を愛するインド人は、力を超えた精神の土壌で、その自尊心を飲み干しているというと穿(うが)ちすぎか。

(T)

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sekai_no_1 at 09:05│Comments(0)TrackBack(0)アジア 

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