2005年11月05日

臨津閣の黄色いハンカチ

韓国から

 十八年前に北朝鮮に拉致された父親が危篤だと知らされ、今年還暦を迎えることもあって、娘として父の返還を訴える金正日総書記あての手紙を韓国日刊紙の広告を通じ公開した崔祐英さん(35)が、今度は休戦ラインに近い臨津閣付近にある松の木に黄色いハンカチ四百枚を結んだ。黄色いハンカチは「愛(いと)しい人を待ち焦がれる気持ち」の象徴で、「父をひと時も忘れずにいた」家族の気持ちを伝えたかったからだという。

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 拉致問題の解決は日本も再び足踏み状態だが、韓国の拉致被害者救出運動はさらに険しい孤独との闘いだ。崔さんは五十に及ぶ拉致被害者家族を束ねる「拉北者家族協議会」の代表として多忙な日々を送るが、日本の「救う会」のような、これといった支援団体が現れず、国民の理解度も日本と比べはるかに低い。「相手は北朝鮮。私の力の限界を超えています」と、崔さんは今の心情を吐露する。

 運動の広がりを難しくしているのは、被害者家族の高齢化や貧困、残された妻たちの再婚など幾つもの事情が重なっているためだが、被害者の帰還に立ちはだかる最大の障害は、実は韓国政府の冷たい対応だともいわれる。「人道的見地から」(統一省)拉致被害者の生死確認と帰還に努力すると明言しているが、政府が連れ戻した被害者はまだ一人もいないばかりか、運動を間接的に妨害したり、嫌がらせをすることさえあるという。

 「韓国政府は金総書記に言いたいことを言えないようです」と話す崔さんは、気丈にも「それでも国に期待を掛けたい」と力を振り絞る。打算や妥協が付いて回る政治判断ではなく、純粋な人権問題として動く責任が国にはあると考えるからだ。

 臨津閣の黄色いハンカチは間もなく取り除かれるそうだが、拉致問題解決を願う有志たちの間では、同じように黄色いハンカチを木にくくり付ける運動が広がっている。

(U)

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sekai_no_1 at 08:50│Comments(2)TrackBack(1)韓国・北朝鮮 

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1. またまた緊急発売!?  [ 名古屋発 海外旅行情報 ]   2005年11月09日 00:50
名古屋発海外ツアーで今、一番人気なのは韓国・ソウル! ソウル行きをお考えの皆様に、そしてちょこっとソウルに興味がある方に、そうでない方に・・・結局は皆様に!!緊急発売のソウルツアーをご紹介 ソウルと言えば、おいしい食事とエステだと思いませんか!? カル....

この記事へのコメント

1. Posted by itochan   2005年11月05日 12:04
日本では「北朝鮮による拉致被害者の生存と救出を信じて」ブルーリボン運動が行われています。
http://www.rnet.gr.jp/
2. Posted by p   2005年11月12日 16:30
黄色いハンカチーフ?
日本映画の見すぎでは?

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