2005年11月14日
今も残る旧ソ連人の優しさ
しかし、昔を知る外国人にとって「ソ連」とは、国ではなく「ライフスタイル」なのである。どんなライフスタイルか。「いいかげん」「ルーズ」「テキトー」、でも「温かい」。
モスクワで「ソ連」を見るのは難しい。しかし、ちょっと郊外に出れば、そこにはまだソ連が残っている。
筆者は最近、モスクワから数時間の小さな町に滞在した。ホテルに入ると、受付のおばちゃんたちが四人でお茶を飲んでいる。「部屋予約したんだけど」と言うと、「あんた誰。何しに来たの」と言いたげな不機嫌な態度。
レストランに行き、注文すると「きょうはこれもそれもありません」と言われる。仕方なく「あるの出して」と頼む。その後、三十分たっても料理が来ない。部屋に戻っても、お湯が止まったり停電したり。
しかし、居心地は日ごとに良くなっていく。ソ連人は付き合いが長くなるのに比例して、親切さが増していくのである。レストランでも、食べたい物をあらかじめ伝えておけば、待たなくてよくなる。階の当直のおばちゃんは、毎日「何も問題ない?」と聞いてくる。問題を伝えると、サッサと改善してくれる。
二週間の滞在を終え、「きょう帰る」と告げるころ、おばちゃん軍団は皆涙目になるほど親しくなる。「嫁を見つけてあげるから、この町に永住しなさい」などと本気で勧める人も出てくる。
ロシアにしばらく滞在した日本人の多くは、「嫌なことがたくさんあった、でも何となくまた来たくなる」という。顧客満足度を追求する習慣のない旧ソ連人の表裏のない優しさが、心に響くのだろう。
(Y)
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モスクワで「ソ連」を見るのは難しい。しかし、ちょっと郊外に出れば、そこにはまだソ連が残っている。
筆者は最近、モスクワから数時間の小さな町に滞在した。ホテルに入ると、受付のおばちゃんたちが四人でお茶を飲んでいる。「部屋予約したんだけど」と言うと、「あんた誰。何しに来たの」と言いたげな不機嫌な態度。
レストランに行き、注文すると「きょうはこれもそれもありません」と言われる。仕方なく「あるの出して」と頼む。その後、三十分たっても料理が来ない。部屋に戻っても、お湯が止まったり停電したり。
しかし、居心地は日ごとに良くなっていく。ソ連人は付き合いが長くなるのに比例して、親切さが増していくのである。レストランでも、食べたい物をあらかじめ伝えておけば、待たなくてよくなる。階の当直のおばちゃんは、毎日「何も問題ない?」と聞いてくる。問題を伝えると、サッサと改善してくれる。
二週間の滞在を終え、「きょう帰る」と告げるころ、おばちゃん軍団は皆涙目になるほど親しくなる。「嫁を見つけてあげるから、この町に永住しなさい」などと本気で勧める人も出てくる。
ロシアにしばらく滞在した日本人の多くは、「嫌なことがたくさんあった、でも何となくまた来たくなる」という。顧客満足度を追求する習慣のない旧ソ連人の表裏のない優しさが、心に響くのだろう。
(Y)
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1. ベトナム(ホーチミン市) [ 捻くれ者TSの暗黒世界で生きぬくために ] 2005年11月15日 12:24
ベトナム(ホーチミン市)。 通過:ドン 時差:−2時間直行便ができビザも必要なくなり日本からのアクセスが便利になったホーチミン。観光客も急増している。ベトナム戦争前はサイゴンと呼ばれた。今でもホーチミンにはサイゴン川等サイゴンの名が残ってる場所が多々ある...
この記事へのコメント
1. Posted by suvo 2005年11月14日 13:30
いやいや、まさにその通り。私もソ連時代からロシアに出入りしていますが、つっけんどんでぶっきらぼうで、人間味のあふれるロシアのファンになりました。でも、ロシア語ができないと、なかなか分かりにくい世界でもありますね。
一般の旅行者は、愛想がなく態度がデカイおばちゃんたちの表面だけを見て帰国してしまうことが多いため、ロシアの人気は今ひとつなのが残念です。深い付き合いをしたい国民ですね。
一般の旅行者は、愛想がなく態度がデカイおばちゃんたちの表面だけを見て帰国してしまうことが多いため、ロシアの人気は今ひとつなのが残念です。深い付き合いをしたい国民ですね。
2. Posted by 世界おもしろニュース管理人N 2005年11月14日 13:53
suvoさん、コメントありがとうございます。同じ境遇にある人は、共感を得るようですね。
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