2005年11月25日

工場進出で揺れる大湿原

ブラジルから

 世界最大の湿原「パンタナール」は、世界最多の自然の宝庫として世界遺産の保全地域に指定されているが、森林破壊や環境汚染などさまざまな環境破壊に遭っていることはあまり知られていない。

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 最近、パンタナールの玄関口にあたるカンポ・グランデ市などを訪れたのだが、街中や郊外に「アルコール燃料に反対しよう」と書いた黄色い大きな看板を見掛けた。

 ブラジルは世界最大規模の自動車用アルコール(エタノール)燃料導入が進んでいる国であり、一九八〇年代には国策もあって国内で走る90%以上の自動車がエタノール車だったほど。


 調べてみると、パンタナールのある南マットグロッソ州に誘致が進められているエタノール燃料工場の進出に非政府系団体(NGO)が反対していることが分かった。

 現在、世界的な原油高騰の流れもあり、エタノール燃料には熱い目が向けられている。国内外から膨大な規模の投資資金がブラジルのエタノール燃料産業に流れ込もうとしており、日本企業もパンタナール地域を含むエタノール産業の視察に訪れている。

 また、エタノール燃料導入には、世界規模での環境保護という側面もある。エタノール燃料は通常のガソリン燃料より一酸化炭素などの排出量が少ないだけでなく、サトウキビ自体の栽培中にも大気中の二酸化炭素を吸収するというのがエタノール推進派の説明だ。

 だが、ことパンタナール地域への工場進出となると、環境保護の観点から反対活動も多くなる。工場進出には、任期の最後で利権づくりに余念がないとうわさされる同州のゼッカ知事(労働党)が背後で動いているとも言われており、投資の影に必ず政治家の姿がちらつくブラジルの現実を垣間見せている。

(A)

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この記事へのコメント

1. Posted by 蚊め!   2005年11月26日 06:01
 なぜパンタナール地域?それだけ自然保護最優先地区なら、きっとインフラも整備されてないだろうに…。
 環境保護地区には高い付加価値税を入れれば進出しなくなるだろうに。
たとえば、進出する企業は、進出前の総収入の25%の税金を払うとか…。(爆)
2. Posted by 管理人N   2005年11月29日 14:58
蚊め!さん、いつもコメントをありがとうございます。エタノール燃料は温暖化対策に期待されているところですが、環境保護はいろいろ頭を悩ます問題ですね。

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