2005年12月23日

洪水とクーデター

タイから

 「クーデターと洪水はタイの風物詩」とされるタイながら、バンコクでは排水施設が整ったことで最近は随分、洪水らしい洪水も見掛けることは少なくなった。一九九〇年代初頭では雨期末期などちょっとした雨でも、至る所で水がたまり、サンダル履きの市民が多い理由が分かったことがある。このころは車道もしょっちゅう冠水し、川と化した道路で水を蹴(け)散らしながら走る車から眺める光景に、かつて「東洋のベニス」とされた「水の都バンコク」をほうふつさせられたものだ。枕木は水没し、かろうじて線路だけが水面から出ている鉄道に乗ったこともある。路肩が洪水で緩んでいれば、そのまま脱線しかねないリスキーな鉄道旅行だ。

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 そのタイでは今年、北部と南部で洪水被害が著しい。北部はチェンマイ周辺、南部はハジャイ周辺だが、旅行者がホテルで孤立し軍によって救出されることもあった。デパートの高層駐車場は冠水を免れようと自家用車で満杯になり、あふれた車両は橋の上だとか丘の上に砂糖に群がるアリのように集中した。鉄道の運行もストップし、バンコクとシンガポールを結ぶ国際列車をも止まったままだ。

 一方、子供たちは学校も休みになるし、「どこでもプール」の状況変化を楽しみこそすれ、危惧(きぐ)する気配は全くない。飛び込みスポットを発見したり、泳いだりボート遊びを楽しんだりと洪水を満喫している。

 ただ、洪水は思わぬトラブルを招きやすいのも事実だ。避難しようと木につかまれば、水に追われた毒蛇がうようよいたりする。水が引けば水が引いたで最近、またブームになりつつある蚊が媒介するデング熱などが発生しやすく、感染症対策をちゃんと講じておかないと、とんでもないしっぺ返しを受ける羽目になる。

(T)

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この記事へのコメント
 日本なら写真つき大ニュースでしょう…。もっとも住んでいる人たちにとっては必死でしょうけれど…。
Posted by 蚊め! at 2005年12月23日 10:44
デング熱が”ブーム”になりつつあるとは、表現がおかしくないですか? 
Posted by ?? at 2005年12月23日 21:03
??さん、ご指摘ありがとうございます。
確かに不自然な表現だと思います。大変失礼しました。
Posted by 管理人N at 2005年12月24日 07:07