2005年12月29日

先住民族の誇り

ボリビアから

 大統領選挙真っただ中のボリビア東部・サンタクルス州を訪れた。同州の州都サンタクルス市は、政庁所在地ラパスほどの規模はないが、同国を代表する商業都市としての活気にあふれる街だ。

★ 続きを読む前に、ご協力お願いします! ⇒ 人気blogランキングへ


 ボリビアの中でも経済的に潤っているとされる都市だけに、歴史ある教会が立ち並ぶ街中に、突然のように高級ブティックや高級チョコレートの専門店などが現れ(値札はボリビアペソではなく米ドル)、ソニーやサムソンなどの専門店や看板が立ち並ぶ光景には、南米最貧国の一つとして伝えられる同国のイメージとのギャップを感じたものだ。

 しかし、路上にあふれるホームレスや物ごいの数は、貧困問題に苦しむこの国の現状を物語っていた。そして、そうした人々の多くが先住民族系であることが、国民の15%に満たない白人層が実質的に政治・経済の中枢を握っているという現実を見せ付けた。

 選挙向けの被写体を探していると、「これは」と思う光景が飛び込んできた。欧米系高級ブティックの前で品定めをする白人の親子の横に、座り込んで通行人に物ごいをする先住民族親子の姿があった。職業本能のままにカメラを向けたが、ファインダーの中には毅然(きぜん)とした表情でこちらを見据える母親の目が飛び込んできた。

 その表情に思わずカメラを下ろしたが、その理由は母親の目の光に、強い先住民族の誇りを感じたからだ。その後、思うところがあって市内でホームレスや物ごいをする先住民族にカメラを向けることをやめた。それよりも伝えることがあると思ったからだ。民族衣装に身を包み、伝統的なコカ葉生産の継続などを求め続ける先住民族の姿に、ボリビアの国内対立の根は、まだ噴き出したばかりなのではないかと考えさせられた。

(A)

★ これは面白い、と思った方はクリックを!! ⇒ 人気blogランキングへ

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. 世界一のカッパー・ベルトを歩く(チリーの旅、マイアミ)―1  [ やぶにらみトーク ]   2005年12月29日 14:22
1、はじめに  鉱山調査会社をチリー現地に設立し、チリーのコピアポで、銅鉱石の探鉱を実施している。現在、坑内外からの試錐(地中に小さな縦、横の井戸を掘って地中の岩石を採 取してくること)による二次探鉱の最中です。  今回、探鉱状況視察とパートナーである...

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。

電子ブック
シベリア鉄道見聞録 ウラジオストクからモスクワまで、「ロシア号」6泊7日同乗ルポ! ほか電子ブック多数!
メルマガ

このブログは、メルマガ「ワールド・ニューズ・メール」と連携しています!


Profile
世界日報社
日刊紙を発行する新聞社。世界各地に特派員を配置し、海外情勢とオピニオンにめっぽう強い。日本初の電子新聞も運営中。
QRコード
QRコード
最新コメント
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

月別アーカイブ