2006年01月20日
「猫食き」の歌
タイから
タイ在住の邦人が立ち上げているサイトに、「タイの地元新聞を読む」というのがある。書き手の趣味が音楽ということもあって、音楽のことに関しては結構、「オッ」と思うトピックスや含蓄のある指摘をタイ語新聞から拾ってきたりしている。
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タイ在住の邦人が立ち上げているサイトに、「タイの地元新聞を読む」というのがある。書き手の趣味が音楽ということもあって、音楽のことに関しては結構、「オッ」と思うトピックスや含蓄のある指摘をタイ語新聞から拾ってきたりしている。
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せんだっても、「猫食(ねこじ)き」をテーマにした歌の問題を取り上げていた。それによるとタイ動物保護協会は、猫肉にはまった若者をうたったコミック・ソングが国際社会の誤解を招きかねないと懸念を表明、文化省に対し放送禁止にするよう要請したという。
この「猫食き」の歌は、イサーン(タイ東北部)出身者たちの間で人気のあるミュージシャングループ「ノックノーイ・ウライポンとシアン・イサーン」が歌っているものだ。酒の肴(さかな)に猫を食べた若者たちが、「猫食き」に病みつきになり、殺傷を禁じた仏教の聖地である寺の境内へ猫狩りに行くようになったさまを、面白おかしく歌っている。
なおタイでは先祖代々、猫を食べ続けてきた村落社会があるそうだ。ただ、貧しいがゆえの蛋白(たんぱく)源というよりは、専ら長寿信仰の対象として珍重されてきた経緯がある。
バンコクから夜行列車に乗って、田舎に向かう時、振り返ると真っ暗な闇に不夜城のような光源を放つバンコクが浮かび上がる。シンガポールをモデルに近代化へ驀進(ばくしん)するバンコク市民と自給自足的生活を続ける山岳少数民族の間には、単に標高の差だけでなく未来を先取りさえする都市生活と、二千年前とさして変わらぬ生活をしているといった歴史の違いが鮮明に見て取れる。
一つの国の中に、さまざまな歴史や風俗が共存するタイでは、一方の尺度だけで断罪すると「国家の統一」は維持できない。何より「猫食き」の歌に見られるような諧謔(かいぎゃく)的志向は愛すべきタイ人の民族性と思うのだが。
(T)
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この「猫食き」の歌は、イサーン(タイ東北部)出身者たちの間で人気のあるミュージシャングループ「ノックノーイ・ウライポンとシアン・イサーン」が歌っているものだ。酒の肴(さかな)に猫を食べた若者たちが、「猫食き」に病みつきになり、殺傷を禁じた仏教の聖地である寺の境内へ猫狩りに行くようになったさまを、面白おかしく歌っている。
なおタイでは先祖代々、猫を食べ続けてきた村落社会があるそうだ。ただ、貧しいがゆえの蛋白(たんぱく)源というよりは、専ら長寿信仰の対象として珍重されてきた経緯がある。
バンコクから夜行列車に乗って、田舎に向かう時、振り返ると真っ暗な闇に不夜城のような光源を放つバンコクが浮かび上がる。シンガポールをモデルに近代化へ驀進(ばくしん)するバンコク市民と自給自足的生活を続ける山岳少数民族の間には、単に標高の差だけでなく未来を先取りさえする都市生活と、二千年前とさして変わらぬ生活をしているといった歴史の違いが鮮明に見て取れる。
一つの国の中に、さまざまな歴史や風俗が共存するタイでは、一方の尺度だけで断罪すると「国家の統一」は維持できない。何より「猫食き」の歌に見られるような諧謔(かいぎゃく)的志向は愛すべきタイ人の民族性と思うのだが。
(T)
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この記事へのコメント
1. Posted by itochan 2006年01月21日 09:45
どこか他の国のポシンタンみたいなものですねw
2. Posted by 管理人N 2006年01月23日 13:11
itochanさん、コメントありがとうございます。
「 文化の違い 」というのは、お互いに理解しあわなければいけませんね。
「 文化の違い 」というのは、お互いに理解しあわなければいけませんね。
3. Posted by qp 2006年01月24日 18:14
重要なことは国際社会の目よりもむしろ国内の少数民族なのではないのでは?日本も同じように地方での格差がでてきちゃいましたね。
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