2006年01月23日

大寒波の中で見た光景

ロシアから

 ロシアは大寒波に襲われている。シベリアのサハ共和国では、氷点下五六度まで下がった。

 モスクワはどうか。この原稿を書いている時点で、氷点下三〇度。夜は氷点下三八度まで下がると予想されている。これは、長年この地に住む筆者も、初めての経験である。

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 モスクワの冬は今年、異常に寒い。救急センターの発表によると、寒さが原因で、ここ二カ月で百人以上が死亡したとのこと。

 このような日、筆者が大学生であれば、必ず授業をさぼったに違いない。小学生であれば、仮病を使っただろう。こんな日は、コタツに入り一日中鍋でも食べていたいのである。

 ところが、そこが社会人のつらさ。アポが入っている人に、「きょうは寒いから会いたくないです」と本音は言いづらい。

 そんなわけで、筆者は嫌々、氷点下三〇度の外に出る。限りなく広がる青空。呼吸をするのが苦しい。手足はアッという間に痛くなる。「ああ、なんでこんなクソ寒い所に住んでいるのだろう」と後悔しながら、近所の池を横切る。

 すると、そこには驚くべき光景が。なんとたくさんの子供たちが、凍った池の上でソリ遊びをしているではないか。街中では、一人だがブーツにミニスカの女性を見掛けた。アイスを笑いながら食べている子供もいた。友人と電話で話したら、「天気が良く気持ちが良かったから、駅から家まで三十分歩いた」とのこと。

 現地に住んでいると、よく日本人から「ロシア人ってどんな人たちですか」と聞かれる。筆者は、「ピンチに強い人たちです」と答える。国が消滅しても、ハイパーインフレでも、国がデフォルト(債務不履行)を宣言しても、氷点下三〇度でも、彼らは淡々と力強く生きている。

(Y)

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sekai_no_1 at 10:55│Comments(2)TrackBack(0)ロシア 

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この記事へのコメント

1. Posted by qp   2006年01月24日 18:18
 社会主義の国の強みかもしれませんね。日本人はたくさんの楽を覚えてきちゃいましたから。日本でも関東圏で大雪が降りましたが、その後の天気は雪がうそのように快晴です。
2. Posted by 蚊め!   2006年01月26日 10:58
 いつもとはまた違った文章で面白いです。期待してます。

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