エジプトにて
カイロは二月下旬からハムシーンの季節になった。ハムシーンとは、夏に入る前に、砂や雨交じりの強風が吹き荒れる現象である。
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前日は快晴で、太陽の光がさんさんと降り注いでいただけに、ビルがかすみ、太陽がおぼろ月のように見え、異様なにおいが辺りに充満するなどの急変化に、砂漠の国にいることを実感させられる。
外出すると、生暖かな風とともに、細かな砂が空から舞い降りてくるので、片目を薄く開けて歩く。呼吸は必要最小限にし、注意深く息を吸い込む。それでもいつの間にか口や鼻に砂が入り込む。口に手を当てたり、ハンカチを当てて通行する人もいる。行き交う車両もかなり少なめで、ほとんどの車両が砂ぼこりで覆われている。
部屋に戻って鼻をかむと、黄色い砂が交じっている。どこからか砂風が入り込んでいて、異臭が漂う。
ハムシーンは熱帯モンスーンの一種で、サハラ砂漠の少ない水分を、気温の上昇で発生した低気圧が吸い上げ、砂塵とともに上空高く吹き上げたものが、地上を襲うとされる。それが二月末から四月末までの約五十日間、エジプトを断続的に襲い、五十のアラビア語ハムシーンの名がついたといわれる。砂漠の砂が五〇度に熱せられることが発生原因だから命名されたとの説もある。
この熱帯モンスーンが日本では六月に梅雨をもたらすとは不思議なものだ。
(S・カイロ在住)
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Posted by sekai_no_1 at 13:26
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