2006年03月27日

タクシー革命

エジプトから

 エジプトの首都カイロで、黄色の新型タクシーが走りだした。新車で、エアコン、料金メーター付き。クレジットカードの使用も近い将来可能という。

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 これは同国のタクシー業界にとってとてつもなく画期的なことで、タクシー利用者、ことに外国人利用者にとっては大歓迎だろう。今までのタクシーは、これ以下の質の車両は見たことがないというほど、ひどいものが多かったからだ。

 メーターが無いのはもちろん、酷暑下でエアコン皆無。窓ガラスの上げ下げができない、ドアが内部から開かない、座席が揺れ動くなどの車両が大多数で、バックミラーやサイドミラー、ライト、タイヤに不備があるなど、タクシーはいわば欠陥車の代表的存在だったからだ。

 カイロを訪れた日本人の友人が、これは東南アジアどころではない、世界最悪なのでは?と驚嘆の声を上げたほどだ。
 エジプト当局によると、当面の予定の千五百台の第一弾として百五十台のフォルクスワーゲンが登場、その後、徐々に韓国車、日本車などが出回るという。
 利用者は三十六カ所ある事務所に電話してタクシーを呼ぶことができる。運転手は営業中禁煙を守り、乗客との不要な対話も禁じられ、安全運転に集中できるよう配慮されている。

 事故究明用のボイスレコーダーも搭載されているという。相乗りされることもない。カイロ市の担当責任者は、「ある種の文明の証しだ」と語る。新企画は、公害をも減少させ、雇用の拡大と車市場を刺激することにもなると期待する。

 タクシー会社の社長は、従業員の三分の一を女性ドライバーにすると意気込んでいる。これもまた画期的なことだ。料金は割高ながら、安全と快適さを求める利用者の好評を博すことになりそうだ。

(S)

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