2006年05月13日

金総書記バッジが落ちた時

オーストリアから

 北朝鮮外交官や同国出身のビジネスマンならば背広の上着に故金日成主席か、金正日労働党総書記の肖像画バッジを着けている。バッジは北朝鮮国民としてのアイデンティティーを示すものとして、大切に扱わなければならない。北朝鮮家庭ではバッジは家宝として大事にされている。

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 ところが、そのバッジが何らかの弾みで上着から落ちてしまった場合、さあ、大変だ。国内でそのようなことが起き、それが誰かに見られていたならば、最悪の場合、「首領様を侮辱する反逆罪」として極刑に処されることだって十分考えられる。

 しかし、バッジが国外で落ちた場合はどうだろうか。バッジを落とした外交官やビジネスマンが強制送還されて、処罰されたとは聞いたことがない。

 ところで、一人の北朝鮮外交官が金総書記バッジを落としてしまったところを偶然に目撃してしまったのだ。

 同外交官は一瞬、何が生じたのかを理解できないような表情をしていたが、顔を少しこわばらせ、バッジをすぐに拾い上げで上着に着けた。同僚の外交官が見ていたが、何も言わなかった。バッジを拾い上げている同僚を静かに見詰めていただけだ。

 それだけのことだが、バッジを落とした外交官とそれを目撃した外交官の間で気まずさが漂ってきた。

 バッジを落とした外交官は何事もなかったように話し続けた。同僚の外交官もまた、何もなかったように相づちを打っていた。

 バッジを落とした外交官は「誰にも言わないでくれ」と念じているようであり、同僚外交官は「黙っていれば、上から後日、自分が糾弾されるのではないだろうか。どうしたらいいのか」といった戸惑いがあるようにも見えた。

 晴れた土曜日の午前中での出来事だ。

(O)

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この記事へのコメント
 うわ!貴重な目撃ですね。関係者が見ていないことを祈ります(爆)
Posted by 蚊め! at 2006年05月16日 04:15