2006年05月27日

北は他国ではない?

韓国から

 韓国人にとって北朝鮮という国は他国ではない、とよく感じさせられる。天気予報ではソウル首都圏を「中部地方」と表現する。大韓民国の領土からすればソウル首都圏は明らかに「北部地方」と呼ぶべき位置だが、北朝鮮領まで含めた場合、確かに中間にある。従って「中部地方」というわけだ。

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 北朝鮮に対する呼称にしても、そうだ。日本のように「北朝鮮」とは言わず、韓国の北側を意味する「北韓」と言う。軍事境界線を境に北側にあるため「以北」であり、北の人口まで含めて「七千万同胞」という言い方をする。南北間の貿易にしても国内の取引であるという意味合いを持たせるため「南北交易」であり、外国との貿易と違うという認識だ。韓国人にとって心理的、心情的に北朝鮮は他国ではない、と思わされる例は、探していけばほかにもたくさんあるだろう。

 だが一方で、双方はあまりにも別世界だ。韓国動乱以後、一つだった国土は南北に分断され、軍事・イデオロギーの対立が先鋭化、自由な往来ができなくなり、敵対関係は長く続いた。韓国は軍事独裁政権を経て民主化に成功し、民主主義と市場経済を謳歌(おうか)しているが、北朝鮮はいまだ独裁者の圧政下で基本的人権をことごとく奪われ、奴隷のように呻吟(しんぎん)している。まるで天国と地獄の差だ。

 「他国でない」という感情は、同じ民族、同じ同胞という連帯意識から生まれてくる当然のものであるにせよ、すぐそばで核開発に狂奔(きょうほん)し、数百人の民間人が拉致されてもなお「南北関係の特殊性」ばかりを云々(うんぬん)していられるものなのか。最近、北朝鮮に急接近する韓国政府を心配する人が記者の周りでも増えてきた。

(U)

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sekai_no_1 at 08:59│Comments(1)TrackBack(0)韓国・北朝鮮 

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この記事へのコメント

1. Posted by don(世界一周その前に。)   2006年05月28日 18:00
日本は島国だから、こういった話はあまりないので身近に感じられませんね。
かつてひとつの国家だったのが南北に分断された。。。
その「国境」は政治、経済もろもろを鑑みると、とてつもなく大きな境目で
あるように思います。

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