2006年06月03日

貧困層だけではない不法占拠

フィリピンから

 貧富の差が激しいこの国では、都会の真ん中でも高級マンションとバラック小屋が混在している。地方から職を求めてやって来た貧しい人々は、都会のすき間に違法に住むしかないのだ。だが、不法占拠しているのは貧しい人々だけとは限らない。軍の将校だった人物までもが不法に住居を占拠し周囲を困らせている。

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 先日、テレビを見ていると制服姿の軍人がある家のドアをけ破っている場面が映し出された。家の中から出てきたのは、これまた海軍の制服に身を包んだ老紳士。実は退役後も軍宿舎から出て行かない元将校を追い出す「Balik-Bahay(家に帰れ)」作戦の一場面だった。

 この元将校たちは水道や電気代も長年にわたり滞納していたらしい。退役したとはいえ元将校がこのような態度では、軍内の不満が高まるのも当然のことだ。しかも、この身勝手な退役将校が百人近くもいるというのだから開いた口がふさがらない。若手将校が軍内の規律向上を求め、たびたびクーデターを起こすのもうなずける。まさに老害だ。

 社会的に地位も名声もある海軍将校ですらこの体たらくだから、国民が規則や法律を守る意識が低いのは当然だろう。

 追い出された退役将校の中には、あるはずもない住居の所有権を主張し、立ち退きに加わった兵士を不法侵入で訴えると脅す者まで出る始末。盗人たけだけしいとはこのことだ。

 今回、このような立ち退きが強行された背景には、軍内の不満を和らげるガス抜きの意味もあるとみられているが、政府は貧しい人々に立ち退きを要求する前に、わが物顔で税金を食いつぶす公務員を厳しく取り締まり、国民に模範を示すべきだ。

(F)

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sekai_no_1 at 08:36│Comments(0)TrackBack(0)アジア 

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