2006年06月03日

「悲痛」と「悲哀」

オーストリアから

 ウィーンのホフブルク宮殿で開催された欧州連合(EU)非公式厚生相会合で、EU議長国のオーストリアのマリア・ラオホカラト厚相が「例えば、アスピリンは男性の心臓疾患に効果があることが証明されているが、女性の心臓疾患には効かない。そのように、薬でも男性に効くが、女性には効果がないといった場合がある。男女の性で効き目がまったく違うことが少なくないからだ。医療分野でも今後、女性と男性を区別、それぞれの専門分野を発展させなければならない」と述べた。特に、「女性典型の疾患に対する専門分野の発展が急務」と主張した。

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 同相によれば、医療分野では男性、女性は明確に区別される。そこには、通称、ジェンダー・フリーといった概念は思考の範疇(はんちゅう)にもない。性別の区別なく、薬や治療を施すわけにはいかない。医療では性の違いは重要な用件であり、それを無視した場合、生命の危険すら出てくるわけだ。

 同相の話を聞いていた知人が言う。「それは医療だけではない。人間の感情にも女性と男性で違う」と。知人は重病の夫人を半年余り世話をしていたことがある。そこで「病に倒れた妻のことを思うと、心臓が痛くなった」「本当に痛かった」という体験をした。

 「悲しみ」という感情を彼は「痛み」として受け取っていたことになる。それを日本語で表現すれば、「悲痛」という言葉に当たるだろう。

 一方、夫人の悲しみを知人は「悲哀」という言葉で言い表した。知人によれば、同じ「悲しい」という感情も男女で「悲痛」と「悲哀」とに区別できるわけだ。

 そんな話を聞いていると、日本から伝わってくるジェンダー・フリー論争は「机上の空論」にすぎないのではないか、という思いが払拭(ふっしょく)できない。

(O)

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sekai_no_1 at 09:58│Comments(6)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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この記事へのコメント

1. Posted by スゲオ   2006年06月05日 18:56
4 理解しやすい内容でホットします。意図してジェンダーと言う言葉を難しくしたがる人々が居るのではないかと思えてなりません。
2. Posted by 蚊め!   2006年06月05日 21:16
>特に、「女性典型の疾患に対する専門分野の発展が急務」と主張した。

医学界からの貴重なご意見ありがとうございます。外国発というのが、残念でしたが…。これでジェンダーフリーはまた一歩真実から遠のいたことを証明できましたね。
(もともと真実ではないのですが…)
 追加証言で国内版もほしいですね。
3. Posted by オサム   2006年06月06日 14:34
 ジェンダーというのは「社会的な性」の問題で「生物学的な性」とは別の問題です。そのあたりを混同しないように気をつけたいですね。ジェンダーの問題は事実的な差異の問題ではなく価値観の問題なのです。ですからジェンダーの問題が空論であるとはいえないように思えます。
4. Posted by Si   2006年06月06日 16:04
ジェンダーと生物学的性を混同する方がまだいらっしゃる以上、ジェンダーフリー論争はまだ続かなくてはいけないのではないでしょうか?

>知人は「悲しみ」という感情を「痛み」として受け取っていた一方、夫人の悲しみを「悲哀」という言葉で言い表した。
男女での違いなんでしょうか?自分の悲しみか、他者の悲しみかの違いともできる気がします。
またもし、感じ方に男女差があると仮定した場合、互いの感覚を正確に理解し、定義できるものでしょうか?

男はこう、女はこう、という思い込みは「無理解」であり、その点では人種差別、民族差別と同じ根をもっている気がしてなりません。

医学において、性差を念頭においた治療がなされるのは賛成です。Oさん、厚相はジェンダーについて触れましたか?この文章は発言をそのまま伝えているのですか?
5. Posted by とくめい   2006年06月06日 17:02
ジェンダーフリー論者が悪い意味を含む「ジェンダー」という言葉を先に広めてしまったので、後からこれが正式などといっても既に時遅し。
男女共同参画社会問題などではジェンダーという言葉をつかわずに別の単語で話をしたほうが混沌としないですみますね。

6. Posted by メール便   2006年06月07日 01:18
近頃横文字そのまま持ってくるのが多いよね。ジェンダー・フリーなんて訳の分からないカタカナ言葉使わないで昔っから言ってる「男女差別をなくしましょう」でいいんじゃないの?この標語に医学的なことが入らないのは言わずもがなだと思うよ。

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