2006年06月06日

W杯、規定でがんじがらめ

ドイツから

 サッカーのワールドカップ(W杯)開催まであとわずかとなった。開催地は準備に余念がない。最後の瞬間というものは、何事でも焦りや混乱が生じるものだ。

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 チケットは入手困難とされたが、最後になってスポンサー用のチケットがさばききれない、不人気カードのキャンセルが相次ぐという問題が発生している。空席を連邦軍兵士が埋めるというプランさえ報じられた。ただ、残念というか、幸いというか、日本戦は人気が高く闇市での値段は高騰している。

 W杯はスポンサーによる収入によって経済的に成り立っているため、スポンサーは神様のように扱われ、スポンサー以外の広告、製品は徹底的に排除される。ドイツの皇帝ベッケンバウアー氏であろうと、高級車メルセデス・ベンツで試合会場に乗り入れることはできない。

 各スタジアムは特に、広告対策に余念がない。例えば、ミュンヘンのアリアンツ・スタジアムは、大きな看板を撤去しなければならない。シュツットガルトのスタジアムでは、VIPルームにあるテレビのパナソニックのロゴがテープで覆われた。

 FIFAの規定によると、例えばナイキの大きなサインの付いたTシャツはNG、キヤノンのカメラを持ち込むこともNGだ。ご自慢のご当地ビールも会場では提供されない。ドルトムントでは、スタジアム近くの住民に、スポンサー以外の商品を人目の付くところに掲げないよう勧告するなど、諸注意事項を記したチラシを配った。外出するにも常に身分証明書を携帯する必要があるという。

 あれもダメ、これもダメでは、せっかくのお祭り気分も台無しになってしまいそうだ。住民も雰囲気を楽しむどころか、逆に不便で窮屈でしかなくなってしまうであろう。

(T)

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sekai_no_1 at 08:45│Comments(4)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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この記事へのコメント

1. Posted by 蚊め!   2006年06月06日 12:09
 すごい…。そこまでやるんだ…カメラマンなんてどーするんだろ。
「俺はキャノンの○○じゃないといい写真が取れないんだ!」という人とか(笑)
三菱の鉛筆もだめなのかな?あるいはNECのノートパソコンとか…。
2. Posted by T   2006年06月06日 22:29
はっきり言って、やりすぎという感じです。ベッケンバウアー大会組織委員長も、FIFAの商業主義を批判しています。
シュツットガルトのW杯関係者によると、ジャーナリストのカメラは問題ないそうです。ただ、観客席で、ロゴが目立つ衣服の着用は避けたほうが良いそうです。鉛筆のように小さいものは大丈夫ですよ。日本のサポーターに関しては、JFAスポンサーのビール会社の大きなロゴが入ったマフラーは、注意される可能性があります。
3. Posted by 蚊め!   2006年06月07日 15:21
 あれだけのイベントをやるのだから、豊富な資金調達が必要なことは分かるけど…。
それからスタジアム近くの住民って半径何キロまでを指すんですか?
4. Posted by T   2006年06月09日 17:40
開催都市によってやり方が違うようですが、ドルトムントの場合、半径5キロの住民にチラシが配られたということです。

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