2006年06月10日

ただ飯を食う自称報道関係者

オーストリアから

 オーストリアは今年上半期、欧州連合(EU)の議長国だ。厚相会議から内相・法相会議、環境相会議から農相会議までさまざまなEUの非公式会議がウィーンを中心に開催されている。

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 同国外務省連邦報道局に登録すれば、メディア関係者は会議を取材できるし、特設のプレスセンターに自由に出入りできる。

 主要会議場はホフブルク宮殿。会議開催中、記者たちはプレスセンターで過ごす。そこでは飲み物だけではなく、昼食の用意もある。時には夕食まで準備されている場合がある。また、メディア関係者には記念としてプレゼントが与えられる。例えばバッグやモーツァルトのCDなどだ。まさに至れり尽くせりだ。

 そんなこともあってか、日ごろEU問題に関心の無い記者までがプレスセンターに姿を見せて、ちゃっかりと昼飯を頂戴(ちょうだい)していく。

 昼食は通常、記者会見後となるから午後一時から二時以降だ。記者会見を終えて、レストランに行くと、ビュッフェ(立食)形式のレストランにはメーンの料理がほぼ姿を消している場合が少なくない。記者会見には関心の無い記者たちがレストランに直行し、昼食を十分堪能した後だからだ。記者会見後では文字通り、後の祭りだ。

 取材に汗を流す記者たちは食事にあずかれず、食事だけが目的でプレスセンターにたむろしている記者たちだけが、ちゃっかりと食事を頂けるという不条理が展開されるわけだ。

 欧州では、メディア関係者は多くの特権を享受している。社会的ステータスも低くない。記者証さえ所持していれば、多くの門戸が開く。その一方、どこからか入手した記者証を持ってさまざまな会議に顔を出し、ただ飯を食う自称メディア関係者も少なくない。

(O)

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sekai_no_1 at 09:52│Comments(1)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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この記事へのコメント

1. Posted by 蚊め!   2006年06月13日 09:51
 まじめに取材している担当記者の怒りがひしひしと伝わってきます。ウイーン発の記事は、世界の他地域より読み応えがあっていいのですが、裏にはそういう迫害(?)をうけていたんですね。
 ブログじゃないと絶対に出ない内容です。
 

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