2006年06月15日

競技場に見るドイツのサッカー文化

ドイツから

 日本の初戦が行われたカイザースラウテルンは人口10万人。規模は小さいが、約850年前に「赤ひげの皇帝」として知られるフリードリヒ・バルバロッサが住んだ由緒ある街だ。その歴史が「カイザー」の町の由来にもなっている。

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 試合会場の「フリッツ・ヴァルター・スタジアム」は、美しい街並みを見下ろす小高い丘にある。収容人員約4万人のサッカー専用競技場で、予選リーグ4試合、決勝トーナメント一試合が行われる。

 同競技場を本拠地とする「FCカイザースラウテルン」は、ブンデスリーガでの成績が振るわず、来期から2部に落ちるが、1954年のW杯で、キャプテンとして西ドイツの優勝に貢献し、一躍ヒーローになったフリッツ・ヴァルターなどを排出した名門だ。

 日本がオーストラリアに敗れた試合で、記者の隣の席に座ったドイツ人の若者が語った。「一度来てみたかったんだ。美しいスタジアムだよ。チケットが手に入ったので、列車で2時間かけて、フランクフルトからやってきたんだ」。

 W杯に合わせて、拡張工事が行われたとはいえ、この規模の街にW杯を開くことのできる競技場があるところに、ドイツに根付くサッカー文化の深さを感じる。今大会の12会場の中で、ベルリン、ニュルンベルグ、シュツットガルトの3会場を除き、あとはすべてサッカー専用競技場だ。

 日韓大会の決勝戦会場となった横浜国際競技場(現日産スタジアム)をはじめ、日本ではサッカー専用が少ない。総合グランドにしないと、大会後の競技場維持が難しくなるからだ。しかし、ピッチと観客席の間に陸上トラックがあると、選手の背番号さえ読み取りにくくなり、臨場感にあふれるサッカー観戦ができない。

 さらに、日本の競技場との大きな違いは観客席の勾配のきつさだ。最上段からピッチを見ると、恐怖感を感じるほどだが、この勾配のおかげで、選手の配置やボールを持たない選手の動きまでよく見えるのだ。サッカーを楽しむことより、安全を優先する日本の感覚からすれば、到底無理な話だろうが…。

 カイザースラウテルンでは、日本のように、競技場の入り口に列ができることもなく、実にスムーズだった。ブンデスリーガーでの経験はそんなところにも表れている。

(M)

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