2006年06月27日

土曜日の学習会

オーストリア

 欧州では5日間の仕事から解放された土曜日と日曜日の週末は家族と一緒に過ごしたり、どこかに遠出する絶好の機会だ。週末に仕事の話などをすれば、「野暮ったい人間」として、家族からも嫌われかねない。

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 ところで、ウィーン14区の北朝鮮大使館だけは別世界だ。毎週土曜日には市内に住むほぼ全ての北朝鮮人が大使館に結集する。通称「学習会」と呼ばれる集まりが開かれるからだ。平壌から送られてきたビデオを鑑賞したり、主体思想の著作物の訓読をする。海外駐在の北朝鮮外交官、学生、ビジネスマンたちにとっては、土曜日は休日ではなく、「学習会」というお勤めの日だ。理由なく欠席すれば、厳しい自己批判が後日待っている。大多数の北朝鮮国民はそんな冒険をしない。だから、大使館を訪れ、午前中をそこで過ごす。

 ところで、「土曜日の学習会」の様相もここにきて少し変化してきた。「学習会」には外交官やビジネスマンの姿だけではなく、外交官の子弟や留学生たちの若い世代が急速に増えてきたことだ。古い世代にとって「学習会」といえば、義務感が先ず先行するが、若い世代にとっては友人が集まる楽しい一時といった印象が強い。彼らの明るい声が大使館にこだまする。時には、学習会後、大使館の中庭でバレーボールなどに興じる。それを年配の外交官が静めかに眺めている。1990年代には見られなかった光景だ。

 金正日労働党総書記を1代目とすれば、その子弟の2世、3世に当たる若い世代の台頭が予想以上に進んでいる。その若い世代の胸にも故金日成主席や金総書記の肖像画バッチがちゃんとある。

 若い世代は古い世代よりも会話に長けている。挨拶すれば、挨拶が返ってくる。そんな当たり前なことでも、古い世代には余り期待できなかった。

(O)

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