2006年07月14日

不法移民の境遇

フランスから

 フランスには約二十から四十万人の不法移民がいるといわれている。それ以上だと指摘する専門家もいる。その多くがアフリカ諸国から来ているが、皆、自国の貧困を抜け出し、フランスでの安定した職を探し求めている。今までは、十年滞在すれば、不法移民でも、滞在許可証を得るチャンスがあった。

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 だが、新しい移民法で、十年以上の不法滞在でも、国外追放にすることになった。多くの不法滞在者は家族連れで、海を越え、山を越え、命懸けでやって来た人たちだ。フランスでは、たとえ親が不法移民でも、彼らの子供がフランスで生まれれば、子供は学校に通う権利を持つ。また、ビザなしでも子供は学校教育を受けさせるのが原則だ。

 不法移民追い出しを推し進める新法が施行されると、その子供たちも国外追放になる可能性がある。フランスの学校を追い出され、アフリカの貧しい村に戻れば、学校にも行かず、ストリートキッズになり、多くの悲劇が待っているかもしれない。そこでキリスト教団体や、人権団体が抗議運動を起こし、国外追放阻止に動いている。

 政府は、学童を抱える不法滞在家族にビザを発給する特別処置を準備しているというが、見方を変えれば、子供が学校に通っていさえすれば、親もビザをもらえることになる。フランス人は総じて、移民への嫌悪感を増している。例えば、七割以上の人が、アラブ移民が多過ぎると感じているというアンケート結果もある。

 だが、フランスでは、どんな田舎の学校に行っても、白人だけの学校はすでにない。友人の子供が通っていたストラスブール郊外の中学校では、両親が白人なのは、クラスに三人しかいなかったそうだ。ヨーロッパ全体、移民の選別を厳しくする方向だが、問題は簡単には解決しそうにない。

(A)

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sekai_no_1 at 08:38│Comments(1)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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この記事へのコメント

1. Posted by 蚊め!   2006年07月19日 20:39
 白人がもっと子供を生めば解決するかも。
あるいは、白人の里親が増えて、フランス的教育を施せば…。

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