2006年07月28日

国旗の数が減る日

オーストリア

 6月28日に国連加盟国となったモンテネグロの国旗の掲揚式が7月27日、ウィーンの国連メモリアル広場で行われた。同掲揚式にはコスタ事務次長や国連工業開発機関(UNIDO)、国際原子力機関(IAEA)らの代表も参加、新国連加盟国の国旗掲揚を共に祝った。

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 同式を取材した知人のアルバニア記者は「来年になれば、また新しい国旗が掲揚されることになるだろう」と呟いた。知人はセルビア共和国に帰属するコソボ自治州の独立を示唆したのだ。

 セルビア共和国と同自治州間で最終地位交渉が昨年11月から始められているが、独立を主張するコソボ自治州側とそれに反対するセルビアとの間で見解が衝突し、双方の譲歩は目下、非現実的だ。

 同記者は「コソボは独立する以外の選択肢を考えていない」と主張、独立コソボはもはや既成の事実だと断言した。

 それが事実とすれば、90%以上がアルバニア系住民で占めるコソボ自治州は来年には第193国の国連加盟国となるわけだ。

 ウィーン国連のメモリアル広場に掲揚されている192カ国の国旗を見上げながら、「来年になればもう一つの国旗が増えるのか」「今後、どれだけの新しい国家が生まれてくるだろうか」「国旗の数が減るような可能性はあるだろうか」などと考えてみた。

 冷戦後、旧ソ連・東欧諸国が解体、分裂を繰り返してきた。その結果、新しい国家が続出、国旗の数も増えた。

 ところで、国旗が減る可能性はある。例えば、南北に分断されている韓半島が統一されれば、国旗は一つになるからだ。別の可能性も考えられる。25カ国から構成されている欧州連合(EU)が米国のような連邦国家となれば、国旗は一つで十分だ。25カ国の国旗が“節約”できる。アフリカ連合(AU)、東南アジア諸国連合(ASEAN)、アラブ連盟も同様だ。統合が進めば、それだけ国旗の数は少なくなる。

 国旗の数が増えることは、世界が依然、平和な時を迎えていないという現実を物語っているのではないだろうか。

(O)

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sekai_no_1 at 13:39│Comments(0)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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