2006年08月18日

幽霊の話

ウィーンから

 ノーベルトさんは夜が怖いという。友人が数日前、急死して以来、ノーベルトさんの部屋のシャンデリアが夜な夜な、風もないのに突然揺れだしたり、「ミシ、ミシ」と誰かが部屋を歩く音が聞こえてくるという。

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 初めてのことではない。数年前、別の友人が猟銃で自殺したが、その数日後、ノーベルトさんのシャンデリアが揺れだしたことがあった。

 ただし、不思議なことに、ノーベルトさんの女友達のミチコさんが泊まる日には何も起きないという。

 「私は幽霊など信じていないから、幽霊も出て来られないのよ」とミチコさんは笑うが、ノーベルトさんの不安は治まらない。

 体の大きなノーベルトさんが真顔で「夜が怖い」というのを聞いて、少し笑ってしまったが、本人はいたって深刻だ。

 妻がとうとう「あなた、ノーベルトさんの家にいって見てきたらどうなの」と気楽なことを言い出した。

 「あなたなら少しは分かるでしょう」という。当方があたかも幽霊の友人と思っているような口ぶりだ。

 当方は幽霊の存在を信じているが、幽霊の友人も知り合いもいない。ただ、幽霊と聞けば、「会ってみたい」という好奇心は人以上に強いだけだ。

 「ノーベルトさんの場合、死んだ友人が訪れてきている可能性があるね」
 「何か伝えたいことがあるのかしら」
 「どうしてミチコさんが泊まる日には幽霊が出てこないのだろうか」
 「幽霊は自分の存在を信じてくれる人、友人、知人にしかその存在を示すことができないのでは」

 ノーベルトさんを怖がらす幽霊について、妻と考えてみた。

 「ところで、ノーベルトさんの家にいってみる?」と、妻が当方の顔を伺う。

 わが家は今年初め引越ししたが、ノーベルトさんは自分の車でその引越し作業を手助けしてくれた恩人だ。その恩人が幽霊で悩まされていると聞いた以上、無視もできない。

 近いうちにノーベルトさん宅の幽霊に会いに行ってみるかな、と考え出している。

(O)

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sekai_no_1 at 13:25│Comments(0)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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