2006年08月25日

カトリック教系過激派グループ

ウィーンから

 米国での同時多発テロ事件以来、イスラム教系過激派グループの動向については、機会ある度にメディアでも紹介されているから、少しは知られているが、世界に11億人の信者を誇るローマ・カトリック教会系の過激派グループについては一般の人々にはほとんど知られていない。しかし、カトリック教会にも存在する。その代表的なグループは「オプス・デイ」(神の業)だ。

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 「オプス・デイ」の特徴は、メンバーの多くが弁護士、医者など、俗にいうエリートたちが多いということだ。彼らはカトリック教理の絶対性を信じ、リベラルな聖書解釈を「異端」として激しく攻撃する。「イエスは結婚したかった」などと主張すれば、それこそ猛反撃を受けることは必至だ。

 ローマ法王の無誤謬性に疑問を呈したキュンク教授などは、とんでもない異端者というわけだ。最近では、「ダ・ヴィンチ・コード」の上映に激しく抵抗している。

 問題は、「オプス・デイ」が既にバチカン法王庁の内部まで浸透しているという事実だ。ローマ法王の言動をメデイア機関に伝えるバチカン広報部のホアキン・ナバロ前報道官は「オプス・デイ」の中心メンバーの1人、といった具合だ。

 ヨハネ・パウロ2世時代には、「オプス・デイ」は神の兵士として解放神学が席巻していた南米教会に派遣されるなど、バチカンも同グループを重宝がってきた経緯がある。ちなみに、ドイツ出身の現ローマ法王ベネディクト16世は教理省長官(前異端裁判所長官)時代から、「オプス・デイ」を高く評価してきた聖職者だ。

 「オプス・デイ」は武装闘争は控えているが、世界最大宗派の信者たちに与える影響力は少数派のイスラム教系過激派グループとは比較できないほど大きい。

(O)

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sekai_no_1 at 15:36│Comments(0)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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