2006年08月25日

北外交官の苦悩

ウィーンから

 北朝鮮社会はインドのカースト制とどこか似ている。反日運動で犠牲となった家族はエリート階級に属し、それだけ金正日(労働党総書記)ファミリーの信頼が厚くなる。

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 K氏の家庭もその階層に属する。外交官のK氏と会話を重ねるまでは、それを知らなかった。

 ある日、K氏は「自分は日本人が大嫌いだ」と日本人である当方の前ではっきりといった。

 聞くと、K氏の両親は日本の占領時代に日本軍によって殺されたという。

 「日本軍がどんな蛮行を繰り返したことか、お前は知っているか」という。

 当方はK氏の顔を見ながら、「多くの韓民族が犠牲となったことは聞いている」といって、後は黙っていた。

 「日本人が嫌い」と言い放ったK氏だが、会えば話すことは出来た。流暢なドイツ語を駆使して当方の質問に応じてくれたこともあった。

 しかし、当方が「韓国動乱は北朝鮮の侵略から始まった」と言った時、K氏の顔は真っ赤になった。「お前、何をいっているのか。動乱は韓国と米軍によって引き起こされたものだ。お前は嘘をついている」と怒った。

 当方は「歴史家たちは現在、故金日成主席が戦争を仕掛けた、ということで一致してきた」と説明、K氏に冷静を求めたが、「馬鹿なことをいうな」というだけで、正常な会話ができなくなった。

 「大嫌い」といった日本人の当方と世間話はできても、自分が学んできた歴史観を揺るがすような話を日本人から聞きたくなかったのだろうか。K外交官はこれまで聞いたことがないようない怒鳴り声を発した。

 それ以来、電話をかけても、当方だと分かると直ぐに受話器を切った。

(O)

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sekai_no_1 at 15:41│Comments(4)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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この記事へのコメント

1. Posted by あうん   2006年08月27日 00:21
うーん・・・情報の源たる人をどう扱うか考えさせられます。どうせ、一方的な考えしか植えつけられてないことは始めから明らかなのだから、怒らせて相手が会話拒否になったのは、記者の態度としてどうなんでしょうか?と素人目に思います。それと、仕事が関わるから慎重でないといけないけれど、記者でない私が「日本軍の蛮行を」と問われたら、
>「多くの韓民族が犠牲となったことは聞いている」といって、後は黙って・・・。というのはちょっと他人事みたいで、「日本人は謝らない、悪いと思っていない、こちらの感情を無視している」と思われませんか?
2. Posted by 蚊め!   2006年08月29日 10:45
 逆に言えば情報源として利用価値がなくなったので暴露していると思うのですが…
 もっともたくさんの公正な情報に接しているはずの、外交官ですら、誤った教育を受けているということで…。日本人のわれわれに教えてくれているのでは。
3. Posted by あうん   2006年09月07日 10:31
日本の外交官のレベルもどのくらいなんでしょうかね・・・。結局は、本国の通達に逆らわない官僚じゃないんでしょうか。ドミニカ移民訴訟なんかでは、移住した人が当地の日本大使館に訴えても、けんもほろろの態度だったようですが。かつてユダヤ人にビザを書いて助けたリトアニアの日本人の領事なんか、それが原因で外務省を追い出されたようでもあるし。
現在だって、外国の日本大使館が、自己の判断を使うより、本国からの指示待ちじゃないでしょうか。
4. Posted by 蚊め!   2006年09月07日 15:57
 まあ、国の忠実な部下が望まれていますからね。問題は本国が事なかれ主義ということで、はっきりとした、理論も、思想もないということです。

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