2006年08月28日

反米思考植え込む教育

エジプトから

 アラブ・イスラム世界の反イスラエル・反米感情は、ますます悪化の一途をたどっている。イスラエルによるレバノンのイラン系イスラム教根本主義過激派組織ヒズボラとの戦闘を通じて、アラブ・イスラム世界に喧伝(けんでん)された内容は、圧倒的に、「イスラエル軍による女性や子供を含む民間人への攻撃」ということで、ヒズボラの宗教的全体主義性や反民主主義的体質、イランの先兵あるいはシリアの対イスラエル・カードとしての戦略性や行動などは忘れ去られて、ただ、イスラエルの残虐性だけが印象に残るようなものばかりだった。

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 確かにイスラエル側の攻撃が多くの「まずさ」を伴っていたことも事実で、対象をヒズボラだけに絞るもっと効果的な攻撃方法があったとも思われる。

 エジプトの教育省の高官とインタビューした際、彼は臆面(おくめん)もなく、「米国はイラクを占領している」と断言した。現状を占領と認識することも問題ながら、「米国は占領するためにイラクに侵攻した」との認識すら持っていることは、「親米」とされているエジプトでさえ、全生徒の教育を預かる官僚のトップがこういう認識を持っているのであるから、シリアや他のアラブ・イスラム諸国は推して知るべしというところだ。

 生徒たちの判断能力が無い時点から既に反イスラエル・反米思考が植え込まれており、「暴力は良くないが対イスラエル暴力は例外」との教育が現場で行われていることは事実。エジプトをはじめアラブ・イスラム諸国の、「抵抗ならば自爆でも何でも手段を問わない」とする暴力肯定・憎悪教育が、テロリスト予備軍を育成することとかかわりが無いとは言えないだろう。

(S)

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この記事へのコメント

1. Posted by itochan   2006年08月28日 14:52
逆もまた真実だと思います。
「市民を虐待から救う」ためなら、空爆でも劣化ウラン兵器でも、クラスター爆弾でもOK、という教育をしている攻撃者。
結局どっちもどっち。

というのは日本から一歩も動いていないわたしの認識。
2. Posted by かもめ   2006年08月28日 21:45
アメリカでは、大統領に反対する意見もかなり多いし、イスラム世界より意見の多様性がずっと顕著で、バランスを保つのに役立っているのではないかと思います。エジプトの街角ではおじさん達が、(まわりに警官がいないとき)結構いいたいことを言って意見が一致しないことも多いのに、こと反米・反イスラエルになると、はんで押したように同じことを言うのには驚かされます。でも、コプト教徒はイスラム教徒とちょっと違った意見を持っていることも多く、ほっとします。(でも、彼らはイスラム教徒には自分の意見を言わないことが多い)うむむ・・・多数派に圧されて異論が出ないのか、記者氏の指摘するように、反米思想の植え込みがなされているのか、多角的見方をするには、個人と社会の成熟が必要なのか・・・。いながらにして世界とつながるインターネット時代が変革をもたらすよう期待したいと思います。
3. Posted by にゃんこ   2006年08月30日 19:45
イスラム圏の反米感情は根深いものがあると思います。パキスタンの人達と接する機会が多いのですが、あまりの反米感情の激しさに戸惑う時があります。

例えば、テロリスト絡みの爆破事件がニュースに出ると、即座に「アメリカの陰謀だ!!」と、大抵の人は言います。
かといって、歴史認識や事件の流れなどを知っている人はいません。
あまり深く事件を考察しようとはしないようです。

その反面、アメリカが持つ豊かさに強、彼らは烈に憧れてもいるようです。
彼らにとってはイスラムが唯一でもっとも優れた文化であって、物心がつく頃からそう教えられます。
なのに、大人になって現実社会を見渡せば、欧米諸国の経済やテクノロジーに圧倒されている。
そんな、ジレンマもあると思います。




4. Posted by 蚊め!   2006年08月31日 01:13
 豊かさか…。自然もかなり残っており、それでいて、且つモノにあふれている(ただし品質は値段に比例する)映画なども、欧米製が圧倒的に市場を席巻している。
 どうすれば、その疎外感から彼らを解放できるのでしょうか?
 アメリカの豊かさは、インフラの更新、保守をギリギリまで犠牲にし
3K系や手間はかかるけど、見返りが少ない仕事を不法移民やスパニッシュに押し付けた上で成立しているのですが。  
 
 

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