2006年08月29日

サウジのプリンスたち

ウィーンから

 知識でもってしても、教育でもってしても、なかなか身につかないものがある。貴族出身者や王族出身者がかもち出す品性、素性のよさだ。

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 これまでオーストリア・ハンガリー王国の最後の皇太子ハプスブルク氏、ヨルダンのハッサン王子、アフガニスタンの王女などと会見する機会があったが、貴族出身者や王族関係者と会う度にそのように痛感させられる。

 先ず、言葉使いからその服装、姿勢が通常の人間とは異なる。彼らはけっして政治家のようにせっかちではない。余裕がある。

 知人のサウジアラビア外交官が「プリンスが会議に参加するが、会見しないか」と打診してきた。日頃から、アラブの盟主サウジの王族関係者と会見したいものだと考えていた記者は「プリンスとお会いできたらうれしいですね」と、知人の申し出を快諾した。

 会見日、「宇宙空間の平和利用委員会」(COPUOS)に参加する為にウィーン入りされたサウジのトルキ・サウド・ムハンマド・アル・サウド王子が記者の前に穏やかな笑顔をしながら会見場所に来られた。

 王立宇宙調査研究所所長を勤められている王子は日本人記者の当方に興味を抱かれたと見え、30分間の会見は和やかに進んだ。

 王子は会見の中で、日本の「宇宙開発事業団」(NASDA)との協力関係の強化を要請された。

 会見後、中東の友人が近づいてきた。「会見はうまくいったか。サウジには数千人のプリンスがいるが、サウド王子もその中の一人だ」という。

 「えー、王子が数千人もだって」。

 友人によると、歴代のサウジ国王は中欧のハプスブルク王朝のように婚姻を通じてその影響力を拡大していったが、その規模はハプスブルク王朝をはるかに凌いでいたという。サウジ社会は今日、王族関係者が政治、経済、教育、科学など全ての分野の責任者となって運営されている。
 会見をしたばかりのサウド王子の顔を思い出しながら、サウジ王族社会の複雑さと華やかさに改めて驚かされたものだ。

(O)

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sekai_no_1 at 14:14│Comments(1)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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この記事へのコメント

1. Posted by 蚊め!   2006年08月30日 03:57
 面白いですね。こういう続報も期待しています。

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