2006年09月07日

差別と区別

米国から

 「人種のるつぼ」とは、米国の多人種・民族社会を説明するのに手あかが付くほどよく使われた表現だ。すべてのものが混ぜ合わさり、溶け合っている状態を「るつぼ」と呼ぶわけだが、この国の実際は「融合」社会ではなく、「雑居ビル」の混乱にも似た雑多な人種別・民族別の社会。これを非ヒスパニック系の富裕白人層という「ビルの家主」が管理する図式が存在する。

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 ところが最近、この「ビルの店子」のうち、新参者のヒスパニック系住民とアジア系住民の伸張が著しい。ヒスパニック系の場合は、違法移民なども合わせて国内人口が急増。ニューヨークやロサンゼルスなどの大都市圏を構成する衛星都市の幾つかで、ダウンタウンの看板はほとんどスペイン語という事態が発生している。

 一方、アジア系住民、特に韓国系の人々も勢いがある。彼らは、会社経営などで次々に成功。非ヒスパニック系白人の街に移り住み、子弟らの教育にはいかなる出費・労も惜しまない。

 かつて記者が住んでいた小さな街も、こうした在米コリアンの進出に遭ったところだ。そのきっかけは、ニューズウィーク誌がこの街の公共教育システムを高く評価する記事を掲載したことから。あれよあれよと増え続け、結局二年間で、小中学校の生徒のうち韓国系の子供は三割を超えるようになった。

 しかし、小さな街で、民族構成が急激に変化すると、さまざまな反発が生まれる事は避けられない。この街でも、昔から住んでいた住民の一部が「反コリアン」で結束し、韓国人には家を売らない運動を起こした。また、ヒスパニック系の多い地域でも、彼ら以外の非アングロサクソン系白人住民が排他的な動きを見せている。「人種のるつぼ」と言う幻想はすでに崩れていると見ていいだろう。

(N)

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