2006年09月09日

ソウルに来た高句麗壁画

韓国から

 実際に一度、目にしたいと思っていた同時代アジア最高峰の遺物といわれる高句麗古墳壁画が、ソウルにやってきた。といっても実物ではなく写真展の話だが、日韓の通信社が中心となって現地入りし、撮影してきた壁画の数々は、豊かな色彩や壁画独特の凹凸感がリアルに迫ってきて、見る者をしばし古代朝鮮の世界に誘う。

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 高句麗は、紀元前一世紀後半から七世紀後半にかけ韓半島北部、現在の北朝鮮一帯で栄えた。当時、人々は現世と同じくらい来世を重要に考え、支配階層は死んだ者が来世で住む家として古墳型の墓を造ったという。内部の壁には、埋葬された夫婦の肖像画や馬に乗る姿、陰陽の気を吐く中国古代の架空動物「玄武」などが描かれた。仏教伝来の四世紀以降は、天使や蓮の花などが登場し、「あの世」が強く意識されていったのが分かる。

 日本画の大家・平山郁夫氏は昭和四十二年、同壁画をモデルに秋の院展に出品した卑弥呼の幻想画が、五年後に発見された高松塚古墳の壁画とあまりにも似ていたことに驚き、ついには高句麗古墳壁画の世界文化遺産登録に奔走するまでに至った。

 平山氏にお会いしたとき、「日朝はまだいろいろあるけれど、文化による平和のソフトランディングができないものだろうか」と語っておられたのが思い起こされる。

 だが近年、古墳が点在する旧高句麗は実は中国の地方政権だったとして、中国が歴史研究プロジェクト「東北工程」を発表して以来、高句麗の歴史は中朝の軋轢(あつれき)の原因になった。北朝鮮自体も核開発やミサイル発射などで、平和を脅かす震源地だ。

 来世での幸福を願われながら高句麗古墳に埋葬された先人たちも、さぞかし落ち着かない気持ちで、自分たちの故郷を見詰めていることだろう。

(U)

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sekai_no_1 at 09:02│Comments(0)TrackBack(0)韓国・北朝鮮 

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