2006年09月16日

ビエンナーレも政治くさい?

韓国から

 秋の趣が深まるこの季節、韓国でもスポーツや芸術に人々の食指が動く。というわけで記者も誘われるまま、同国南西部の都市・光州で始まった「光州ビエンナーレ」を訪れた。

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 初回から10年が過ぎ、「世界の美術展覧会で五本指に数えられる」(関係者)そうだ。しかし驚いたのは、美術展が光州で行われる訳が、いまだに語り継がれていたことだ。

 主催側は展覧会が、「光州事件の精神を美術に昇華させる趣旨で始まった」と説明。朴正熙大統領暗殺を機に高まった民主化を求める市民の声は1980年、光州で絶頂に達し、武力で弾圧した軍との衝突で多数の犠牲者が出た、あの事件である。

 運動圏出身で韓国初の女性首相となった韓明淑氏も開幕式に駆け付け、「事件当時、私も現場にいた。ここは第二の故郷」と、光州との縁をアピールしてみせた。

 事件では米軍が軍事政権に協力的だったという理由から、その後、反米感情も噴出した。夫人を同伴して観覧しに来た駐韓米国大使を会場に入れさせまいと、左翼の市民団体がデモに繰り出し、ギャラリーの一角には「米国的帝国主義と戦争を告発する」コーナーもしっかり設置され、反米ムードが醸し出されている。

 光州市には、訪れた人々の心に事件を刻んでもらう施設が、ここかしこに点在する。強権を振るった軍事政権に抵抗し、韓国民主化に道を開いた“聖地”としての自負にあふれるかのように。確かに、それはそれで貴重だ。

 だが今の韓国は「韓流」で自信を付け、「文化大国」づくりに本腰を入れようかという時。“美の祭典”ビエンナーレの舞台にしては、「民主化」やら「反米」やらで、ちょっと政治くさい、もっと洗練されないと、と思った。

(U)

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sekai_no_1 at 08:51│Comments(1)TrackBack(0)韓国・北朝鮮 

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この記事へのコメント

1. Posted by 蚊め!   2006年09月19日 02:11
 かの国はこれ以上民主化してどうするんでしょうか?
 いまや、インターネット大国までのしあがったのに…。制限無き自由は放縦と言う言葉に置き換わるんですが。
 反米はまあ、かの国の自由なので勝手にやればいいですけど。
その代わり、米国の後ろ盾なくなれば、1年で赤化は間違いないと思うけど。(レッドチャイナ、北朝鮮)
 大韓民国国民がそれを心から望んでいればすればいい。でもそうすれば、多分、日本は核武装、重軍事国家の道に走るだろう。

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