2006年09月21日

泣く子と官吏には勝てず

ブラジルから

 日本へ修理に出していたデジタルカメラが届いた、との連絡が郵便局から届いた。

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 早速、受け取りに行くと「関税(輸入税)を払うか、連邦税務局の許可がないと荷物を引き渡せない」という。関税額は本体価格(新品時)の実に60%。

 「そんなばかな、連邦税務局の関税免除許可証を添付してブラジルから日本へ送っている。荷物にはそのコピーも付いているじゃないか」と主張したが、「連邦税務局の許可なしには無理」の一点張りだ。

 仕方がないので、連邦税務局に出向いた。担当官の部屋に通されると、彼は一体何センチあるのかと思われる分厚い関税法の書類に目を通しながら「再輸入許可証が必要になる」と一つの条文を指さして説明、担当官の友人のものと思われる名刺を差し出して「彼に作ってもらいなさい」と言った。再輸入許可証の作成料はもちろん安くない。

 「そらきた」と思った。ここで引き下がれば、担当官の友人に金を払って書類を作成した揚げ句、「次はあの書類が足りない」などと、他の担当官へのたらい回しになるか、「面倒だから関税を払う」となるのが落ちだ。

 必要なのは、担当官のサイン一つ。官僚国家のブラジルでは、とにかく法律や条令が多く、あらを探そうとすればいくらでも可能だ。ただし、「泣く子と官吏には勝てない」とのブラジルでのことわざがあるように、役人のサイン一つで何でも通る。

 「そこを何とか」と粘ること数十分、とうとう音を上げた連邦税務局の職員が書類にサインをした。

 余談だが、デジタルカメラを日本へ送る際に取得した関税免除許可証を得るために、連邦税務局でこれ以上の時間と労力と費やしたことをお断りしておく。

(A)

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この記事へのコメント

1. Posted by 蚊め!   2006年09月21日 11:41
 大変だったのですね。デジカメ修理も、ブラジルだと楽じゃない。
官僚相手に大変ご苦労されているということが文章からにじみ出てます。
 貴重なレポートです。
2. Posted by spoonbill   2006年09月22日 10:23
いつも思うのですが、こういう話を聞くたびに、
「日本の公務員は優秀で助かるな」と感じます。
日本国内では公務員への視線は冷たいですけど。
3. Posted by 蚊め!   2006年09月26日 09:51
もし、中央突破で行くのなら、(連邦税務局の関税免除許可証の発行されたときの写真(日付つき)と添付してブラジルから日本へ送っている送ったときの様子のビデオ。荷物にはそのコピーも付いている写真)と、その言質(会話)をテープレコーダーに録音し、職員に突きつけてやればどうでしょうか?
(ほとんど嫌がらせのような…)

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