2006年10月06日

失郷民の秋夕

韓国から

 毎年、初秋のころに巡って来る秋夕(チュソク=旧盆)は、多くの人が帰省に心躍らす韓国最大の名節。しかし、この時期が訪れるたびに心を痛める人たちがいる。韓国動乱の際に南に逃れた、北朝鮮に故郷をもつ失郷民たちだ。

★ 続きを読む前に、ご協力お願いします! ⇒ 人気blogランキングへ


 北朝鮮との軍事境界線沿いにある臨津閣では、年老いた失郷民たちが目と鼻の先にある北朝鮮を見ながら秋夕の祭事を行う。

 鉄条網越しに敬拝し、手を合わせ祈る。生死も確認できない人たちの中には、「祭事はできない」と生きていてくれると信じて疑わない人も少なくない。

 先日、離散家族の団体が「コメや肥料と引き換えに行われる再会事業は拒否する」と宣言し、北朝鮮の言いなりになる韓国政府を強く批判した。

 日朝首脳会談では、「家族がどうして離れ離れでいられるでしょうか。ワッハッハ」と拉致家族の一時帰国に応じる太っ腹な一面を見せた北朝鮮の“将軍さま”だったが、失郷民を含め一千万人ともいわれる韓国の離散家族の願いは、ほとんどかなえられていない。

 四年前、「会いたい」という希望を持つことに疲れ、ついには臨津閣で自ら命を絶ったハラボジ(おじいさん)もいた。

 大きな荷物を手に田舎への直行バスに乗り込む人たち、実家に親兄弟が久しぶりに集まり、酒を酌み交わしながら話に花を咲かせる姿――。南に故郷がある人たちの温かく、活気ある秋夕の風景は、失郷民のそれとはあまりにも対照的である。

 今、韓国は秋夕連休の真っただ中。今年は若者を中心に東南アジア辺りでバカンスを楽しむ海外派が三十万人に上るそうだ。時が流れ、世相が変わって秋夕の過ごし方も多様化しつつあるが、失郷民の秋夕は、まだ変わりそうもない。

(U)

★ これは面白い、と思った方はクリックを!! ⇒ 人気blogランキングへ

sekai_no_1 at 08:44│Comments(1)TrackBack(0)韓国・北朝鮮 

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by 蚊め!   2006年10月06日 09:48
 貴重な情報ですね。紙の新聞は、4〜5日遅れでしか来ないので、ひょっとしたら貴紙のどこかに載っているのかもしれませんけれど…。

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。

電子ブック
シベリア鉄道見聞録 ウラジオストクからモスクワまで、「ロシア号」6泊7日同乗ルポ! ほか電子ブック多数!
メルマガ

このブログは、メルマガ「ワールド・ニューズ・メール」と連携しています!


Profile
世界日報社
日刊紙を発行する新聞社。世界各地に特派員を配置し、海外情勢とオピニオンにめっぽう強い。日本初の電子新聞も運営中。
QRコード
QRコード
最新コメント
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

月別アーカイブ