2006年10月13日

旅の駆け引き

カンボジアから

 カンボジアの首都プノンペンから陸路でタイに抜けようと思った。

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 「なぜ、そんなに急ぐのか。タイの国境から出る最後のバスはもう出発しているし、向こうにはホテルもない。こちらで一泊したらいいのに」と、いぶかしむ若者がいた。

 こちらとすれば、なぜ一旅行者にそれほどこだわるのか不思議だった。むしろ、そのこだわりに疑いのまなざしを向けた。「ホテルを紹介して、コミッションでももらうつもりじゃないか」と。

 結局、出国審査終業時間五分前に出国し、中間地帯を走って、無事、タイ側の国境クローン・ヤイに着いた。だが、バスは行ってしまっていた。次のバスはあすの朝だ。ホテルもない。カンボジアの若者が言っていた通りだった。

 長い昼寝を楽しんだばかりの、はれぼったい目をしたドライバーが、タイ東部の大都市トラートまで送ってやるという。料金を尋ねると、八百バーツ(二千四百円)だ。トラートまで約百バーツだから、特別高いわけではないが、こちら側の値切り交渉に全く応じようとしない。

 国境にへばりつくようにして、雑貨屋が一軒あった。とりあえずそこで時間をつぶした。何か欲しいものがあったわけではない。単なる時間稼ぎだ。他のタクシー屋を探せでもしたら、適正価格でトラートまで行けると思ったからだ。値切り交渉をはねつける独占営業を崩すには、競合相手を探すしかない。

 しかし、新たなドライバーは現れなかった。しぶしぶ八百バーツをポケットから出した。

 旅で初めて会った人の言うことをうのみにすると、痛い目に遭いがちだ。だが、かたくなに人の忠告を拒んでも、いいことはない。要は一瞬にして言葉の真贋(しんがん)を見抜く眼力があるかどうかで、旅の味わいはかなり違ったものになる。

(T)

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sekai_no_1 at 12:59│Comments(2)TrackBack(0)アジア 

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この記事へのコメント

1. Posted by karu   2006年10月16日 17:43
「一瞬にして言葉の真贋(しんがん)を見抜く眼力」、そう、それなんですが、神ならぬ身、わかりませんよねえ。この前外国の絵本を見たら、こいつが悪人か?と思ったのが正直な商人、この人はよさそう、と思ったのが、あこぎな商人で、すっかり自信を失ってしまいました。
どうか旅行には十分お気をつけ下さい。
2. Posted by 前島 潔   2006年12月31日 11:52
旅とは「予期せぬ出来事が・・」の連続で楽しいね。
判断ミス?いやミスではないか、そこから更に思いがけないストーリーが展開すること多々ありで、ヒヤヒヤするけど、これぞ「旅」ですな。

「一瞬にして言葉の真贋(しんがん)を見抜く眼力」、フ〜ム授業料を払いっぱなしだな〜。きっと今後も・・・。
ま、数千年サイクルで、この「授業料」がこの世を回りまわっているのではと最近受け入れました。短い人生、日々沢山旅をしましょうかね。

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