2006年10月19日

日本の軍事アレルギー

米国から

 米国の首都ワシントン近郊で地下鉄に乗っていると、制服を着た米軍兵士の姿を時々見掛ける。国防総省で働く兵士が通勤に利用しているのだろう。米国以外に海外で生活した経験はないため、断定的なことは言えないが、おそらくほかの国でも、軍の施設周辺ではこんな光景が当たり前なのだと思う。

 ところが、日本では……。

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 防衛庁のある東京・市谷周辺のJRや地下鉄で制服姿の自衛官を見掛けることはまずない。それもそのはず、自衛官はスーツ姿で防衛庁に出勤し、職場で制服に着替えているのだから。日本国内の軍事アレルギーが依然根強いことの証左かもしれないが、スーパーマンじゃあるまいし、自衛官がサラリーマンに“変装”しなければならない状況はどう考えても異常である。

 以前、記者が東京にいたとき、防衛駐在官としてワシントンの日本大使館に勤務した経験を持つ海上自衛官が、米国では制服に対する見方が日本とは全然違うと言って、こんな体験談を話してくれたことがある。

 小学生の娘さんが通う学校の行事に出席しなければならないとき、この自衛官は着替える時間がなかったため、制服のまま顔を出したという。すると、先生や他の父兄が「キャプテン(海軍大佐)が来られた!」と大歓迎。お父さんが敬意を持って迎えられる光景を目の当たりにした娘さんは、「パパってすごいんだ……」と見直したそうだ。

 「久しぶりに父親の威厳を示せましたよ」。うれしそうにそう語った自衛官の表情を今でもよく覚えている。

 「制服」に対する日本社会の風潮が米国と同じようになるのは、相当先のことかもしれない。それでも、せめて電車くらい制服姿で自由に乗れる日が早く来てほしいと願うばかりである。

(J)

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この記事へのコメント

1. Posted by 蚊め!   2006年10月19日 12:19
 一般国民はスパイダーマンでいいのではとも思っているのかもね。(困ったときだけヘルプー!)(爆)それで自衛官はその声を聞くとスパイダースーツならぬ軍服に着替えて颯爽と登場、(汗と涙で)問題を解決。
 また、彼らの給料の源である防衛費増額には、市民は、できるだけ圧縮の声を上げると…。まさに、恩を仇で返す、似非市民。
 もう少し体を張って国を守っている方を尊重してもいいのではと強く思います。
 なお日本国民は公称1億2000万人いますが、自衛隊員はわずか30万人もいません。
 自衛隊員は何人の日本国民を守らなければならないでしょうか?
さあ、みんなで考えよー(笑)
私の試算だと、自衛隊員が全員ランボーでもない限り不可能です。
 さて、こちら(ミッドハドソン)でも、街で州兵の軍服を着た兵士はたまに見かけますよ。この近くには大きな基地はないのですけれど。リクルートの事務所があるくらいですね。
2. Posted by karu   2006年10月19日 18:00
かつては第二次対戦の悪夢の思い出が強烈だったのと、憲法九条とで、拒否反応が起きていたのかもしれませんが、災害での救助や困難な中でのイラクでの活動など、世論も自衛隊を評価しつつあるのではないでしょうか。しかし、政治家が国際問題に関連して、いきなり(?)核武装論とか言い出すから、また前の対戦時の日本社会の悪夢がよみがえってくる・・・。
政治家の責任も大きいし、感情的に反応する国民も問題だし、防衛を真剣に考えているのかどうかわからない、ヒューマニストの知識人も問題では・・・。
3. Posted by Yoga cat   2006年10月20日 06:36
沖縄に勤務する米兵は、確か基地外へ出る場合は私服へ着替える決まりがあったと思います。それでも、いちいち着替えるのが大変だったのか、
通勤やお昼休み時間には軍服姿の兵隊はよく見かけました。
4. Posted by (J)   2006年10月20日 07:57
蚊め!様、karu様、Yoga cat様
 コメントありがとうございます。karuさんがおっしゃるように、以前に比べて日本の世論も自衛隊を評価しつつあると私も感じます。自衛官の皆さんも思い切って、制服で通勤してみてはどうなんでしょうか。最初は一部で異論が出るかもしれませんが、今なら国民の大多数は支持してくれると思うのですが…。背広で出勤する自衛官の姿は、戦後の呪縛を象徴しているように見えてなりません。
 沖縄の米兵(海兵隊)が基地の外に出る際は、▽シャツはえり付きが望ましい▽穴の空いたズボンははかない▽みだらな言葉や図柄の入った衣服は着てはいけない――などのルールがあるそうです。どこまで徹底されているかは知りませんが…。

5. Posted by manma   2006年10月20日 12:57
 軍服で闊歩して、何がどうしてどうなると言うのでしょうか?
 同時に、背広を着て何がどうしてどうなると言うのでしょうか?

 なぜ豆腐屋は豆腐を売るか。それは生活のために。

 私は母国を愛する。が、母国民は愛していない。

「もっとも愛国的な兵士を知っているかね?」
「死を恐れない兵士とか」
「遺族年金を辞退する家族を持った兵士だよ」
6. Posted by 蚊め!   2006年10月20日 14:34
 自衛隊は、本来なら守らなくてもいい、(いや迷惑とさえ思っている一部偏向思想主義者)国民までも、やれ、災害派遣だ、テロ対策だ、防災訓練だ、やれ不発弾処理だと守っているのです。
 また、国の名誉と世界秩序の維持を掛けて、遠くイラクまで復興支援に行ったりしています。尊敬はするこそすれ、それを白眼視するのはどうかと思うんですけど。
 アメリカ主導(西欧キリスト教民主主義)の世界秩序に組することによって、日本はなんだかんだいいながらも繁栄しているのです。
 それに大国としてはあまりにもつつましいながらも、軍備を持っていることが、国家間の交渉においても、多少なりとも、役に立っているという現実があります。
 あと、知識人もヒューマニストではなく、セルフィッシュパーソンと言い換えたほうがいいかもしれません。
7. Posted by メール便   2006年10月20日 15:41
 制服で通勤していない役人って、警察官とかもそうだと思うよ。ただ、以前、防犯対策のため警察官に制服出勤を義務付けたら効果あったとかいうニュースも聞いたことがある。自衛官が制服で出勤したらテポドンは飛んでこないかも??まあ、それでも案外防犯上の効果はあるかもしれないよ。
 日本で戦前みたいな軍服の威厳を取り戻すとしたら、どこかの国が攻めてきて祖国防衛戦の死闘の末に日本を死守した!と言う衝撃的な出来事でもない限りは再びはムリでしょ。起きて欲しくないけどね。9.11の時はNYのポリスやファイヤーマンが「ヒーロー」とたたえられたけど、あれほどの状況あってのことだからね。今の日本ならプロ野球のプレーヤーやJリーガーの制服出勤なら羨望の的になると思う。
8. Posted by karu   2006年10月20日 19:56
蚊め!さん。
私も、自衛隊を「白眼視するのはどうか」と思います。
「軍備を持っていることが、国家間の交渉においても、多少なりとも、役に立っている」 こんな現実を多くの日本人は知らないんじゃないでしょうか?欧米は(私には)紳士面してるようで、結構甘くない。
私達の偏見の多くは、知識のなさや偏り、間違った情報を持っていることが主たる原因ではないでしょうか?総合的な見方を載せたサイトがほしいですね・・・。

ただ、自衛隊を認めない「知識人」でも、セルフィッシュかどうか?誰しも自分の考えを持つ権利があるし、大概、ある点に重きをおくから偏るだろうし・・・。 ヒューマニスト的考えの人は、「来るべき未来の姿」をみているのかもしれませんね。一面的でもあり、現実とのギャップをどう埋めるんだろう、と思いますが。

要は、何よりも、主権者である国民が無関心でもなく、感情的でもないことだと思うのです。
9. Posted by 蚊め!   2006年10月21日 02:11
ありがとうございます>karuさん
 来るべき未来の姿ですか…それは日本人の得意分野ですね。
ひとつ悟ることができました。
 話は変わりますが、欧米は(私には)紳士面してるようで、結構甘くない。<そのとおりです。たとえば、スポーツにしても、F1にしても、日本が苦労してメダルや1位を量産し始めると、その次の年からルールがなぜか偏向(誤字じゃないですよ)して、メダル取りにくくなりますからね。
 まあ、先の大戦のように、正面突破は愚の骨頂だと思います。(先進国は、すべて、ラテン、ギリシャを共通の先祖に持つ人たちですから。)彼らのプライドをくすぐりつつ、日本の利になる方へ誘導していけばいいのではないでしょうか。
 残念ながら日本の繁栄には世界の平和、半永久的に持続可能な経済成長が不可欠ですから。
10. Posted by karu   2006年10月21日 17:38
蚊め!さん
お返事、ありがとうございます。「世界おもしろニュース」の記者さんたちの目を通した異国生活のレポートも、蚊め!さんのコメントも、いつも楽しませてもらってます。いろいろ考える材料になります。
11. Posted by ちゃい   2006年10月21日 22:10
職場ではいろいろな制服に着替えるけど、どんな仕事の人も、通勤には普通の服装を着用してますよ。
軍事アレルギーがあるわけではなく、制服は職場で着用するという常識なんではないですか。特に、自衛隊の場合は軍服であるということを考えてください。軍服を着用することによって、一般人とは別の職責を負うわけですから、通勤時には平服でいるのは当たり前のことでしょう。
12. Posted by karu   2006年10月22日 00:40
ちゃいさんのおっしゃるとおりですね。しかし、例えば医者や看護婦が何かの事情で白衣姿のまま通勤するのと、自衛官の軍服だったら、いささか反応が違うような気がするんです。

仕事で移動の際、万が一、民間の交通機関を利用する場合、制服を着るのか、周囲を慮って平服にするのか・・・後者のような気がします。

私にとっては、問題は、軍服で通勤できるかということよりも、その根底にある国民の感情です。災害救助などで長年実績を上げ、阪神大震災の時は、文民統制に忠実に従い大災害にもかかわらず勝手に出動しなかった、そんな自衛隊ですが、いまだに「継子(ままこ)」扱いのところがある気がします。
13. Posted by ちゃい   2006年10月22日 09:34
今年の夏に、陸自の小平学校に行きました。幹部との面会だったので、帰りは自衛官が駅まで車で送ってくれましたが、まったく違和感ありませんでしたよ。
軍事アレルギーを気にしているのだったら、制服での外出は禁止するのではないかな。
でも、karuさんのおっしゃること(軍隊に対する敬意の違い)はよくわかります。様々な国民感情がありますから、一個人として外出する際に制服を着用しないのは、自衛の意味もあると思います。それに、私の周りの自衛隊員の高い自尊心を考慮すると、彼ら軍服での外出なんて許したら、一般国民に対する優越に浸りっぱなしになる危険性もあり・・・。
14. Posted by 蚊め!   2006年10月22日 19:37
 なるほど、高い自尊心ですか。浸って貰ってもいいんですけど、
その分、きちんと国土防衛と、災害派遣などでがんばってもらえれば、安いものだとおもうんだけどなあ。

 まあ、893さんのように周囲に威張り散らさなければそれでいいです。
15. Posted by itochan   2006年10月24日 13:10
子供の父親がたまたま大佐だったから「すごいんだ」ですが、その父親の隣に大佐がいてへーこらしてたら、子供は「パパ…orz」

たぶん規則か何かで見かけることがないのだと思いますが、実際に誰かが着ていたとしたら、尊敬の目というよりたぶん、普段見かけないもの、奇異なものという目で見ると思います。
16. Posted by こえ   2006年11月03日 13:13
俺、北海道に住んでいて親父自衛官だけど普通に制服で出勤してるよ。
本州じゃ許されないのかな?やっぱ・・・・
17. Posted by 武   2007年03月04日 12:18
当たり前過ぎて、何も言う事無し。

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