2006年11月04日

北朝鮮のスーパー・ダラー

オーストリアから

 「金星銀行から届けられた保証金の中から毎回、数枚の偽造の米紙幣が見つかりますよ。銀行関係者に聞いても、彼らは『多分、どこかから受け取った紙幣の中に交じっていたのだろう』と言うだけです。だから、数枚程度の偽造米百ドル紙幣の場合は何も言いません。もちろん、枚数が多い時には黙っておりませんがね」

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 オーストリア中央銀行の関係者が記者にこのように説明してくれた。時代は一九九〇年代初めだ。米国が北朝鮮の偽造紙幣問題を追及していなかった時代だ。金星銀行は欧州唯一の北朝鮮直営の銀行だったが、一昨年六月、銀行営業許可書を自ら返還、閉鎖している。

 記者が北朝鮮の偽造紙幣問題に関心を持ちだした契機は、九〇年代初めに平壌の銀行からウィーンに送られてきたエコノミスト、ホ・ヨンホ氏がドイツ製の高性能の紙幣鑑定機を購入したという情報を入手してからだ。

 同鑑定機の仕様書を入手した後、記者はその内容を記事に書いた。その掲載翌日、ホ氏から電話がかかってきた。「おれは何も関与していない。これ以上、妨害するとどうなるか分からないぞ」と怒りをぶちまけてきた。

 電話がかかってくるだろうと予想していたが、ホ氏の怒りは想像以上に激しいものだった。北朝鮮にとって、偽造紙幣問題は国家機密であり、その内容の一部でも流出した場合、関係者は大変な結果となる。ホ氏もそれを恐れていたはずだ。ホ氏はその後、巨額の資金損失で平壌指導部に責任を追及され、結局、北朝鮮に強制送還された。

 北朝鮮の偽造米紙幣はスーパー・ダラーと呼ばれ、金融関係者の間では久しく話題となっていた。北朝鮮が今日、本物の米紙幣と区別できないほどの高品質の偽造紙幣を製造していると聞くたび、核開発計画と同じように、北朝鮮は国家の存続を懸けて偽造紙幣製造に取り組んできた、との実感を強くする。

 (O)

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sekai_no_1 at 08:31│Comments(1)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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この記事へのコメント

1. Posted by 武   2007年03月04日 12:04
実感を強くするだけじゃだめだろ!!

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