2006年11月07日

冬時間の憂鬱

ドイツから

 十月二十九日から欧米諸国では冬時間が始まった。日本ではしばらくサマータイム(夏時間)導入の是非が議論され、いまだに決着が付いていないようだ。

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 ドイツのサマータイムの歴史を調べると、一九一六年が起源となっている。第一次世界大戦中のドイツで三年間だけ導入され、第二次大戦中の四〇年に再導入された。戦後は再び廃止され、七〇年代のオイルショックが原因で節電のために八〇年代になって再び復活した。九六年以来、欧州は統一して同じ日をサマータイムとしている。

 ドイツではこの時期になると、憂鬱(ゆううつ)になる人々が増える。朝が明るくなった代わりに、日没時間が一気に一時間も早まるのが原因とされる。筆者を含め、夕方、外で子供を遊ばせることが多い親は特にこのことを実感する。これまで、夕方六時ごろまで外で遊ばせることができたが、今ではどんなに遅くても五時には家に戻らなくてはならない。大きな家に住む人々にとって、すべての時計の針を動かすことは面倒なことだ。

 最も厄介なのは列車だ。追加された一時間の調整のために、深夜三時に一時間の停車を余儀なくされる。しかも、一年のうち五カ月しかない冬時間が“普通の時間”と見なされていることへ疑問が生じる。電力大手の担当者にサマータイムの効果を尋ねると、ほとんど変わりはないという。ドイツ公営放送が行った世論調査によると、六割がサマータイムを「無意味なこと」と回答している。

 唯一、良いと感じることは、冬時間に変わる日曜日の朝、いつもよりも一時間長く眠ることができることであろう。特別な贈り物のようにすら感じる。その代わり、来年三月の最終日曜日にサマータイムが始まり、人々は一時間の睡眠時間を奪われたと不平を言うのは容易に予想できる。

(T)

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sekai_no_1 at 08:18│Comments(2)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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この記事へのコメント

1. Posted by karu   2006年11月13日 04:54
私も夏時間のある国にいますが、省エネの効果はわかりません。夏時間がない場合とある場合で比較したデータが提示されないからです。「電力大手の担当者にサマータイムの効果を尋ねると、ほとんど変わりはないという」のも、ほとんど変わりなくとも、やはり差があるんだな〜と思います。
差がわかると、がぜん協力したくなるかも。
しかし、夏時間以外に、あらゆる方法を尽くして省エネに励むこと、省エネの精神(もったいない)を浸透させることは、未来の世代に対しての義務だと思います。

2. Posted by 勘弁してくれ   2007年06月09日 22:06
そりゃドイツやイギリスなら理解できますよ。ロンドンの真夏(8月)の平均気温は17度だもの。少しでも太陽を浴びたいでしょう。でもね、ここは日本なの。むちゃくちゃ暑いの。わかる?サマータイムなんか導入したら午後のエアコン電力は今の2割増ですよ。省エネになるなんて冗談じゃない!

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