2006年11月10日

ムンバイの風物詩「弁当運び」

インドから

 日本の朝の風物詩が、新聞配達だとしたら、金融都市ムンバイ(旧ボンベイ)の昼の風物詩は「ダバワラ」だろう。「ダバワラ」というのは、昼食の弁当を家からオフィスや学校まで運ぶサービスだ。ダバとは「三つ」、ワラは「入れ物」を意味する。いわばインド式三段重箱と言ったところだが、三段重ねのアルミ箱に、それぞれ汁物カレー、ご飯かナンもしくはチャパティー、果物などスイーツを入れるのが一般的だ。

★ 続きを読む前に、ご協力お願いします! ⇒ 人気blogランキングへ


 インドのカレーは、スープ状のものが多く、この三段重ねの弁当箱はしっかり留め金で締め付けられ、カレー汁などがこぼれないようになっている。東南アジアやインド旅行者がお土産としてこの「ダバワラ」を購入するらしいが、運動会などではそのパワーを発揮しそうな代物だ。

 昼前どきのムンバイでは、顧客の家々を回り、自転車に積まれたこうした弁当の山をよく見掛ける。これだと作り立ての昼食を、冷める前に食べることができるメリットがあるし、出勤時や登校時の殺人的ラッシュ時にのんきな三段重ねの弁当など邪魔なだけだ。何より暑い国で早朝に作った弁当だと傷みやすく、腹痛に襲われるリスクもこれで減少するというものだ。

 なお弁当を集める地域と配達する地域が、そのまま重複することはまずない。だから集められた弁当はまず駅前にいったんまとめられ、配達先ごとに再分類されて、担当者がそれぞれの任地の弁当を自転車に積み直し、配るシステムとなっている。

 さてインド式三段重箱「ダバワラ」には、氏名や住所など一切書かれていない。ただ、「〇×△□」といった色分けされた記号があるだけだ。それが毎日数万個、間違なく確実に届けられるというのは驚き以外、何ものでもない。

(T)

★ これは面白い、と思った方はクリックを!! ⇒ 人気blogランキングへ

sekai_no_1 at 08:42│Comments(4)TrackBack(0)アジア 

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by 通りすがり   2006年11月11日 09:55
弁当運びは、代々運び屋専門のカーストの人達がやっているんでしたよねェ配達先の仕分けが文字ではなく色分け記号なのは、単に字が読めない人でも配達出来るように考えられた方式でしょう。
2. Posted by karu   2006年11月15日 01:52
通りすがりさん、情報をありがとうございます。 また世界がちょっと広がった気がします。
3. Posted by karu   2006年11月15日 01:57
すみません。再送します。
T記者さん、通りすがりさん、情報をありがとうございます。 また世界がちょっと広がった気がします。
私のいる国も、文字は読めないけど記憶力はいい人が店で働いているんですが、よく見ていると、客も、受け取ったとき中身を確かめている人が結構います。現地の言葉が喋れたら、一度行って、配達人と話して、「誤配することってないの〜?したらどうするの?」などと、きいてみたいような気がしました。しかし、インド。果たして何語が有効なんでしょう?
4. Posted by (T)   2006年11月28日 08:18
なるほど。通りすがりさん指摘で扉が一つ開けられたような気がします。KARUさんの言語問題ですが、一般的には英語とヒンズー語が共通言語ということになっていますが、3000以上もある地方言語しかしゃべれない人々も多く、一概にいえないような気がします。

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。

電子ブック
シベリア鉄道見聞録 ウラジオストクからモスクワまで、「ロシア号」6泊7日同乗ルポ! ほか電子ブック多数!
メルマガ

このブログは、メルマガ「ワールド・ニューズ・メール」と連携しています!


QRコード
QRコード
最新コメント
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

月別アーカイブ