2006年11月21日

信仰あっても教会に行かず

フランスから

 フランス人はどの程度信仰深いのか。カトリック系新聞ラクロワが、二〇〇三年から〇四年にかけて行った調査によれば、自分がカトリック教徒であると考えているフランス人は全体の64・3%なのに対して、週末のミサに行く人は、何と4・5%という結果だった。信者と答えながら、全く行かないと答えた人は一割に上った。

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 無論、この数字は、ヨーロッパのカトリック国と言われるイタリア、スペイン、アイルランドなどに比べても一番低い数字で、カトリックの本山、バチカンにしてみても頭の痛い数字と言える。調査では、月に一度は教会に行く人は、3・2%で、31・5%の人は、結婚式や葬式以外で教会に行くことはないと答えている。

 だが、新しい動きがないわけではない。旧態依然としたミサでは人が集まらないと考える教会もあり、パリ十九区にある教会では、現代風の歌や踊りを導入し、ミサの後には、軽いスナックで、参加者同士の交流の場を設けたり、社会問題について、ディスカッションの場を提供したり、教会内のコンサートを積極的に開いたりしている。

 十年以上、教会から足が遠のいていたミカエル・ブージュさん(33)は友人の誘いで最近、教会に通うようになったそうだ。「不思議なもので、ちょっとした雰囲気の違いで、行く気がするようになった」と言っている。ブージュさんは老人だけの集まる古いタイプの教会に嫌気が差していたという。

 だからといって、ブージュさんのような若者が急増しているわけではない。ただ、六十歳前後の人々が極端に宗教嫌いなのに比べれば、今の若者の方が保守的かもしれないと言われている。教会で結婚式を挙げる人が激減した一九九〇年代に比べれば、持ち直していると指摘する声も聞かれるようになった。

(A)

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sekai_no_1 at 08:21│Comments(1)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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この記事へのコメント

1. Posted by karu   2006年11月24日 17:58
日本の仏教のような感じですね。人間の四苦の「生老病死」の内、仏教は死にのみ関わる。かたやキリスト教は、今や、生(洗礼)と死だけに関わる。
ある統計によると、イギリスやアメリカでは、クリスマスももはや「お祭り」になって、宗教的意味が薄いとか聞きました。イスラム教は、断食と礼拝が義務で、日常に浸透しているようですが、国によっては、結構表面的だったりするし、モスクにいる宗教指導者も、モスクの中にいるだけのようです。現代のような変化の激しい、勝ち抜きの社会では、こうなってしまうのかもしれませんね。「深い祈り」「神との対話」なんて、もう、忘れているんでは。

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