2006年12月01日

雨期の一コマ

ブラジルから

 記者がブラジル・サンパウロを初めて訪問したのは十年以上も前のことだ。その時、特に印象に残ったのが雨のすさまじさだ。記者が滞在したのは二月。ブラジルの雨期は通常十月から十一月ごろに始まり、四月から五月ごろまで続くので、雨期の真っただ中だった。

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 帰国当日、大雨の中を日本への帰路に就くために空港バスに乗ってサンパウロ国際空港に向かった時、雨のすさまじさを体験することになった。

 後で判明したことなのだが、バスの運転手は通常使うルートが通行止めになっていたために迂回(うかい)路を選択した。ところが、次第にあふれる水のために道も見えなくなり、バスはまるで川の中を進んで行くような状態になる。

 途中、バスは何度も立ち往生、運転手とブラジル人乗客らが「どの道を行くべきか」(これも後で判明)などと議論を始めた。ポルトガル語を話せない“スコール初体験”の外国人乗客らは半ばパニック状態となっていた。

 何とかして前に進むこと小一時間、バスは最後の難関に差し掛かった。目の前に見えるのは、濁流の“川”そのもの。

 しばらく考え込んだバスの運転手、「よしっ!」と意を決するとバスは濁流の中を水をかき分けて進み始めた。重量があるバスだったからこそ決意もできた大技だろうが、乗用車だったら確実に水没して流されていた、そう思えるほどの水量と流れの速さだった。

 格闘すること数分、ついにバスは濁流を乗り切った。乗客は歓声を上げて喜び、運転手に拍手した。映画の一コマのようだが、密室状態のバスの中で乗客が一体感を感じた時間だった。
 空港に着いてバスを降りる際、乗客が運転手に感謝の言葉を掛け、チップをはずんだのは言うまでもない。

(S)

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この記事へのコメント

1. Posted by 蚊め!   2006年12月02日 21:26
その国のバスは防水仕様ですか?何メートルまで喫水してたんでしょうか?
川のようになったということは、堤防が決壊したからですか?
2. Posted by karu   2006年12月03日 19:14
う〜ん、ハッピーエンドで終わったから、運転手にチップをはずんだんでしょうが、一歩間違えれば、ニュース沙汰の悲劇でしたよね。
特派員の方が身体を張っての仕事でありますが、次からは、「やめろ〜引き返す勇気を持て〜」と言いたいですね。

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