2006年12月18日

どこまでも続く喫煙天国

ドイツから

 今年十月、ドイツの鉄道の食堂車と通路が禁煙となったことに感動を覚えた。飲食物を買おうと少しの間、食堂車両にいるだけでも、ものすごい量の煙をもろに受けていた。喫煙者でも、喫煙車両が煙たくて嫌いだとして、車両と車両の間や通路で喫煙する人は多い。禁煙席といえども指定席が扉の近くの座席であれば、扉が開くたびに煙が入ってくる。これでようやく良い空気の中、列車の旅ができるようになった。

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 禁煙化では、ドイツ政府が一番もたついていると思える。欧州では公共の場における禁煙がトレンドとなっているが、ドイツは完全に乗り遅れているのだ。

 メルケル政権は十一月末、公共の場やレストラン、ディスコでの喫煙を禁止することで合意。喫煙開始年齢を十六歳から十八歳に引き上げることに決めた。ただし、全面的な禁止ではなく、扉で仕切られた空間での喫煙は認められるという。ドイツでは禁煙席が設けられているレストランは少数派だ。ファストフード店ですら、一階が喫煙コーナーとなっている所もある。夏はテラスにいれば済むことだが、寒い冬は小さい子供連れではどこにもいけないのが現状だ。

 ただ、最近になって禁煙法をめぐって内務省と法務省が禁煙の法制化は違法とする解釈を示したため、禁煙論争は再び振り出しに戻った。ドイツは欧州最大のたばこ消費国。成人喫煙率は男性39%、女性は31%だ。しかも、喫煙の低年齢化は進んでいる。たばこ産業および関連雇用の保護、そして、たばこ税収入という魅力を捨て切ることができないようだ。

 州によって相違があるが、政府に同調して禁煙化を表明しているのはわずか二州だけ。来年三月から、禁煙化のためのワーキンググループがスタートするが、主要メディアはたばこロビーの時間稼ぎと批判している。

(T)

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sekai_no_1 at 08:43│Comments(2)TrackBack(1)ヨーロッパ 

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1. 一般に合理的民族といわれるドイツ人が  [ すーさん’s アイ ]   2006年12月20日 06:17
先進国といっても、それぞれなのですね。一般に合理的民族といわれるドイツ人が意外とこういう面ではあいまいだったとは。どこまでも続く喫煙天国ドイツから

この記事へのコメント

1. Posted by karu   2006年12月18日 21:14
ドイツは環境に対する意識が高いと思っていたので、このお話にはびっくりしました。ドイツの医師達は肺癌の危険とか、胎児への悪影響とか、警告しないんでしょうか? もしかして、医師達自身がタバコすってるとか?
ただ、「たばこ産業および関連雇用の保護、そして、たばこ税収入という魅力を捨て切ることができないようだ」で、要因は健康面だけではないのだな、とよくわかりました。ありがとうございます。
2. Posted by 反喫煙ファシスト   2008年06月16日 20:57
ドイツでは、国家が国民の健康を管理するという施策が、ナチズムを想起させるとして、官民共に上からの禁煙押し付けに反発が強いと聞いたことがあります。

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