2007年01月09日

パリの和食レストラン

フランスから

 日本政府は、海外にある和食レストランに認定書を発行し、和食のレベルを保つことを検討している。パリには現在、約五百五十軒の和食レストランがあるといわれるが、そのレストランに食材を卸す仕事をしているフランス人の友人が、「みんな、とんでもないことを日本政府は考えていると悲鳴を上げている」と語っている。

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 和食レストランに認定書を出すという発想の背景には、海外には、和食とはまったく思えない料理を、和食として出していることへの懸念があるからだ。例えば、パリで和食チェーン店を展開する、ある中国系の寿司屋では、寿司はすべて冷凍物を解凍して使用し、板前は飾りで置いているだけだ。無論、味もひどい。

 だが、そんな店でも客は入っている。逆に日本の食材をふんだんに使い、すべて日本式で料理を出し、意気込んで開店した日本人の経営するレストランが半年で閉店に追い込まれた例もある。完全日本式で成功している店の多くが、実際は大半を日本人客に頼っているか、超高級な店かのどちらかだ。

 日本にだって、世界中の料理が入ってきている。フランス料理の店で、フランス政府認定書を掲げ、「このレストランの料理こそ、フランス料理」と銘打っている店は存在しない。パリで、イタリア人観光客が「こんないい加減なスパゲティを出すな」と大声で店主とけんかしている姿を見たこともある。

 だが、残念ながら、料理という極めて個人の嗜好(しこう)が左右する分野では、料理の良しあしを決めるのは、その国の国民でしかない。日本国内でフランス人好みのフランス料理を食べるのが難しいように、食文化は風土や歴史、文化にはぐくまれるものだ。ただ、日本食が世界に認知されたことで、ローカルな存在でいられなくなった事実も無視できない。

(A)

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sekai_no_1 at 09:10│Comments(11)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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この記事へのコメント

1. Posted by none   2007年01月09日 16:26
イタリア人は、パリどうしたの?
2. Posted by 大勝利   2007年01月09日 17:01
統一教会乙。
寿司が資金源なんだってな。
3. Posted by ぴぴ   2007年01月09日 17:33
日本風の店の排他目的でなければ認証制度も構わないと思う。
反対派は食文化は現地で変わると唱えるだけで思考停止している。
まだまだ日本食は誤解されている訳で
誤解を解き本物を知ってもらうのは知識だけでも大事なこと。
たとえば出汁の無い味噌汁が好きならばそれでも良いが
本当は出汁を獲る事を知ってもらう事は必要だと思う。
まして出汁の無い味噌汁をこれが本物と出すやからも居るわけで
4. Posted by でく   2007年01月10日 13:53
別に認定しても良いんじゃないですか?
認定しようがしまいが客は美味しいほうに行くだけでしょうし。
ただこれが「本場の日本の味」だと知ることができるのは良いことだと
思います(客が気に入る、気に入らないは別にして)。
5. Posted by 蚊め!   2007年01月11日 14:08
 本場日本の味(といってもアメリカ風にアレンジされているのは仕方ないが)を知ってもらうことはいいことです。
 たとえば味噌汁だって、かつおぶしから出汁をとったスープと、化学調味料てんこ盛りのスープとは味が違うわけです。特に時間が経てば…。

 どっちが気に入るかはその人次第ですが…。
で、日本食のすし屋が単価高くなるのは仕方ないことです。無茶苦茶手間かけてますから。

 アメリカでは「いいものは高いのが当たり前」という文化です。
排他目的ではなく、差別化ですね。
 なお、完全日本式はまずいでしょう。現地人に受けるメニューもそろえておかないと。
 こっちでもカリフォルニアロールや、スパイシーツナ、レインボーなんていう「裏巻き」もおいて、集客に努めています。
 
6. Posted by 蚊め!   2007年01月11日 14:15
 あ、そうそう、誰か勘違いしているようですが、アメリカで寿司が広く知られるようになったのは、ある会社が、寿司向けの食材を長年にわたり供給しているからに他なりません。
 だから、本場の寿司を食べる日本人は、80%以上は、誰かさんの言う「寿司の資金源」を通しています。

 その資金源を通したくなければ美味しい寿司はアメリカで食べられませんので、悪しからず♪
 ちゅーごく人の似非寿司でも食べてくださいな。
7. Posted by 蚊め!   2007年01月15日 00:40
ちょっと暴言が過ぎましたね。クールダウンして。

 冗談抜きで、寿司とは思えない、表現方法だけじゃない、寿司の原理すら知らない「寿司」も存在するのが事実です。

 たとえば、シャリに酢を入れない。シャリが熱々のままで魚介類乗っける。これって「優良店」以前の問題でしょ?<アメリカ在住30年以上の日本人の証言です。

 いくら乾燥しているアメリカでも、食中毒起こしますって。
だからカリフォルニアだのスパイシーツナだの、ドラゴンロールだのは、別にいいんです。「表現だから」ま、海原雄山あたりは目くじら立てるでしょうが…。
 で、そんな馬鹿なことをやってるのが例によってちゅーごく人その他なんです。日本ブランドに便乗しているんですね。
8. Posted by karu   2007年01月16日 02:47
「シャリに酢を入れない。シャリが熱々のままで魚介類乗っける」
むむっ。 それを好んで食べてる人はいるのでしょうか? 興味津々。
と言いますのも、日本のコンビにで、ある日、寿司を「(レンジで)温めて下さい」といっている外国人(欧米?)を見たからです。にぎりではなく、巻き寿司でしたが。

「インド人もびっくり」のインドカレーならぬ、「日本人もびっくり」の寿司ですね。
9. Posted by 一読者   2007年01月18日 02:31
誰が評価するか知ってる?JETROの職員だよ。こんなことをやるなんて、他に仕事ないのかね。
10. Posted by かもめ   2007年01月19日 00:57
「日本食認定」と聞くと馬鹿らしいですが、そうしたくなるような状況が発生しているのではないかと思いました。蚊め!さんのお話にあるようにです。私は体験したことがないのですが、エジプトで、紫色したマグロのにぎりが日本食レストランで出て来たそうです。おいしければいいのですけれど、まずかったり食あたりになったとき、「日本食って!」といわれたら悔しいかな。「フランス人は文化面で日本より優れている」という仏人とたまたま付き合ったので、フランス人が日本食の評判を台無しにしたら余計許せません(笑)。
11. Posted by 蚊め!   2007年01月19日 03:10
 たとえば、シャリに酢を入れない。シャリが熱々のままで魚介類乗っける。これって「優良店」以前の問題でしょ?<アメリカ在住30年以上の日本人の証言です。
>さらにこれを補完する新事実。ちゅーごく人には生の魚を食べる習慣はないそうです。どうやって鮮度を確かめているんでしょうね。友人の談では寿司職人は、食べて鮮度を確かめるんですが。
 だから、ああいう、トンでも寿司が出てくるんでしょう。

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