2007年02月16日

普通でない普通車

インドから

 インド南部のムンバイから北西部のアリムトサルまで二千キロを鉄道で走った。午後七時十五分発のチケットを手に入れようとムンバイ駅に着いたのは午後五時すぎだった。寝台を含め指定席はすべて満席だった。残っていた普通席を購入した。

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 その値段が二百九十五ルビーだった。日本円にして約七百五十円足らずだ。二千キロといえば、北海道から九州までに近い距離だ。二千キロを走って、この値段が本当にあり得るのか。

 中国では「無座」チケットがある。座席に座れない立ち見席のような乗車券だ。格別に安いが、長距離の旅には適していない。

 ひょっとしたらインド版「無座」チケットかと思い、駅員に聞くと座席はあるが自由席だと笑った。その笑いが気になった。

 出発十分前まで時間をつぶし、十四番ホームに向かった。寝台車の乗客はティーなどをすすりながらのんきに待っているが、普通車の乗客だけが百メートル近い列をつくっていた。その最後尾に並んだ。これでは到底、座ることさえままならないと覚悟した。

 列車が二十分ほど遅れてホームに入ってきた。列の半分ほどが入った段階で席はすべて埋まった。その席がすごい。二段ベッドのように座席上方にももう一つ座席があり、上の方は胡坐(あぐら)や体育座りで座るシステムになっている。周りは金網で仕切られており、囚人護送列車の様相だ。

 それでも座れた方はまだいい。こちらは立ったままだ。アリストサルまでの三十六時間、このままだと持たないと思っていた時、乗客の一人がどこまでいくのか聞いてきた。
 「アムリトサル」と答えると、びっくりしたような顔をして、グループ客に呼び掛けてくれ、席を一つ空けてくれた。

(T)

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sekai_no_1 at 09:17│Comments(3)TrackBack(0)アジア 

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この記事へのコメント

1. Posted by 夜光虫   2007年02月16日 12:41
営業形態として私鉄なら許せる。賭け事付き切符とかって意味で…
公営なら許せないな^^

まっ、どっちにしてもインドはでかかった…
人の心も含めて…
というわけですね^^
2. Posted by karu   2007年02月17日 02:34
う〜ん。もっと増発してほしい。それが無理なら、車両数を増やしてほしい。指定席と普通席の2種類だけにせず、指定席(一等)、普通席(2等)、詰め込み席(”囚人護送的席”3等)にしたら少しは状況はましでしょうか? 指定席の料金がいくらか知りませんが、インドの格差社会を垣間見る思いです。でもその安い金額、貧しい人のために抑えに抑えてあるんでしょうね。ITで儲けても、車社会になる代わりに、鉄道の環境改善をして、エコ大国の仲間入りをしてほしいな・・・。
3. Posted by 京都ふらり鉄道散歩   2007年03月04日 17:08
はじめまして。海外情報が好きで訪問しました。インドで36時間も乗るなんてすごい。日本で13時間(京都―青森)のるだけでも大変でした。ポチ!っと応援しておきました。

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